美しい風景が広がる古民家での満たされる暮らし
住まいは最初、市営住宅に住んでいたが、2年前に古民家に移り住んだ。
「せっかく田舎に来たんだからと、一軒家を探したんですがすぐには見つからなくて。物件探しは難しい……。店舗の場所探しと同じように、いろんな方に話していたら、住みたい地域の方から、貸してもいいと言ってもらえました。幸運でしたね」
高台に建つ古民家からは桃畑や山々が一望できため息が出るような美しさ。
「5時くらいに起きるんですが、今朝は山に広がる雲海に朝日が照らされてきれいでしたよ。見晴らしのいい縁側で、お茶をゆっくり味わうのが朝の日課です。このあたりは山の水が使えるのでお茶も本当に美味しい。うちにはテレビがなく、聞こえるのは鳥や虫の鳴き声だけ。静かで安らげますね」
不安に思うことはないかと尋ねると
「本当にないんです。夜が暗くて怖いかと思ったけど町の灯りが少ない分、月あかりで道を歩ける。きれいな空気と水があるという、人間が生きていく上で一番重要なものが揃っていれば、なんとかなると思っています。
近所の方が時々玄関先に野菜を置いてくれていたりするので、食べるものにも困らないし(笑)。私はこういう暮らしがしたかったんだと、移住してしみじみと感じています」
幸せな朝時間 AM7:00
「鳥の鳴き声が響く静かなひととき」
夜10時に寝て朝5時に起きるという規則正しい生活になったそう。
旅するように地方に住んでみたら
2021.09.26(日)
Photographs=Wataru Sato
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