美しい風景が広がる古民家での満たされる暮らし
![森に建つ焙煎所の店主・大谷大輔さんも移住組。「大輔さんのコーヒーは常備してます」●珈琲焙煎所 tulenote](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/a/3/1280wm/img_a37ae57c0160a3fe82645e10d3332f92133901.jpg)
住まいは最初、市営住宅に住んでいたが、2年前に古民家に移り住んだ。
「せっかく田舎に来たんだからと、一軒家を探したんですがすぐには見つからなくて。物件探しは難しい……。店舗の場所探しと同じように、いろんな方に話していたら、住みたい地域の方から、貸してもいいと言ってもらえました。幸運でしたね」
高台に建つ古民家からは桃畑や山々が一望できため息が出るような美しさ。
「5時くらいに起きるんですが、今朝は山に広がる雲海に朝日が照らされてきれいでしたよ。見晴らしのいい縁側で、お茶をゆっくり味わうのが朝の日課です。このあたりは山の水が使えるのでお茶も本当に美味しい。うちにはテレビがなく、聞こえるのは鳥や虫の鳴き声だけ。静かで安らげますね」
![山の水に煎茶を入れただけの冷茶は、まろやかで風味豊か。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/d/f/1280wm/img_df292bd7150d15fd912c0afed0a7c8eb83912.jpg)
不安に思うことはないかと尋ねると
「本当にないんです。夜が暗くて怖いかと思ったけど町の灯りが少ない分、月あかりで道を歩ける。きれいな空気と水があるという、人間が生きていく上で一番重要なものが揃っていれば、なんとかなると思っています。
近所の方が時々玄関先に野菜を置いてくれていたりするので、食べるものにも困らないし(笑)。私はこういう暮らしがしたかったんだと、移住してしみじみと感じています」
![](https://crea.ismcdn.jp/common/images/blank.gif)
旅するように地方に住んでみたら
2021.09.26(日)
Photographs=Wataru Sato
CREA 2021年秋号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。
この記事の掲載号
RANKING
- HOURLY
- DAILY
- WEEKLY
- MONTHLY