滞った身体に薬膳のエネルギーを

 五品目は「対馬黄金穴子と海老 高麗人参 竜眼肉の炒め」。対馬黄金穴子は、長崎県対馬市西沖の韓国との海境付近で獲れる、大きくて脂ののったやわらかい穴子です。

 限られた人数の漁師しか漁をできない希少なもので、薬膳素材の王様、高麗人参と組み合わせることで、生きるエネルギーを付与してくれます。

 六品目の「熊野地鶏と青ザーサイ 金針菜 蓮の葉蒸し熟陳皮の香り」の鶏肉は三重県熊野産の地鶏。脂の付き方やほどよい噛み応えの肉質が中国料理にぴったりで、ヘイフンテラスで長年採用しているのだとか。

 蓮と柑橘の香りが料理全体に行き渡り、食べ応えもあります。みかんの皮を乾燥&熟成させた陳皮は5年物で、年数がったったものほどよいとされています。

 気を巡らせ、心の滞りを解消してくれる効果が期待できるようです。

 〆の麺となる七品目は「夏野菜とごぼう麺の五行涼麺」。ごぼうを練り込んだ麺にトマト、ズッキーニ、ピーマンなどの夏野菜をたっぷりとのせ、野菜でとったスープ、アボカドオイルなどで味付けされています。レモングラスも加わり、爽やかな印象が残ります。

 八品目はデザートで「古代米とタピオカ粽、燕の巣と白桃 アロエ 桃膠のコンポート、パッションフルーツの蒸しカステラ」の3品の盛り合わせ。

 香り高い桃は身体の中から肌までも潤おしてくれるし、燕の巣は美肌効果があると言われるシアル酸の含有量も高いもの。燕の巣は宮廷御前として、かの楊貴妃も好んで食べた言われる希少な薬膳食材です。

 こんなに素敵な薬膳料理の数々を味わえば、昨年来長い時間にわたって滞ってしまった身体も心も解放されそうです。ひと皿、ひと皿をゆっくりと楽しみながら、夏の疲れを癒してみてはいかがでしょう。

五行和漢メニューシリーズ
夏「滞りからの解放」

期間 開催中~2021年9月19日(金)
料金 ひとり 18,800円(サ込)曜
※ランチ、ディナーとも同内容・同料金
時間 ランチ 11:30~14:30(14:00 L.O.) 火~土曜
       11:00~15:00(14:30 L.O.) 日曜・祝日
   ディナー 17:00~20:00(19:30 L.O.) 火~土・日曜・祝日
定休日 月曜
※五行和漢メニューは3日前までに要予約。


【問い合わせ先】ザ・ペニンシュラ東京

電話番号 03-6270-2888
E-mail heifungterraceptk@peninsula.com
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※五行和漢メニューシリーズ「日本の秋 万物の成熟」は9月24日(金)~10月31日(日)の予定。

2021.08.31(火)
文・撮影=CREA編集部