2021年上半期(2021年1月~6月)にCREA WEBで反響の大きかった記事ベスト5を発表します。インタビュー部門の第4位は、こちら!(初公開日 2021年6月17日)。
宝塚歌劇団に同期入団し、互いに互いの大ファンだという美弥るりかさんと七海ひろきさん。
七海さんは美弥さんの言葉ひとつつひとつに優しく相槌を打ちながら、美弥さんは七海さんが話すたびに明るい笑い声をあげながら話す姿が印象的だった。
自然体でこの時代を軽やかに生きる2人の、たくさんの共通点から見えてきた柔らかなマインドとは?
奇跡がいくつも重なった撮影は、新鮮であり、懐かしい
――実はお2人でこのような撮影をされたのは初めてということですが、いかがでしたか?
七海さん(以下敬称略) なんか21年前に出会った頃のこととか思い出しちゃって。ふつふつと笑いがこみ上げてきて、なかなか撮影モードに入れなかったよね(笑)。
美弥さん(以下敬称略) 私たち本当に受験前から仲が良くて。宝塚の受験スクールが一緒だったんですよ。出身も茨城県出身で。しかも2人で奇跡的に合格し、そして音楽学校のお掃除場所まで一緒だったという。
七海 だから撮影中も2人でお掃除をしている時のこととか思い出しちゃって。
美弥 ホントに私が色々やらかしていたものですから。いつもかいちゃん(七海さんの愛称)に……
七海 美弥ちゃんは、これ、言っていいのかわからないんですけど、よくお掃除中にうとうと、うたた寝しそうになっていて(笑)。それを私が起こすっていうのがね。その頃のことを考えると、今この撮影をしている瞬間が、本当になんか奇跡みたいな。
美弥 本当に。在団中は同期での撮影も、なくはなかったよね? でも2人きりでっていう機会はなかったです。だから退団して今、お互いがこんな風に活動し始めている者同士で、こうやって撮影できるってことはすごいことだと思って。
七海 そうだね。初めてのことだからすごく新鮮だった。退団後、自分ひとりで撮影したり、他のモデルさんと一緒に撮影したりもしてきたけど、それとは全然違う空気感。なんだろう、“幼馴染みと真面目に写真を撮る”みたいな感じ。
――奇跡といえば、今日、もうひとつお2人に奇跡的な出来事がありましたよね?
美弥 こういう状況になる前は2人でよくご飯に行ったりしていましたが、最近はなかなかできないので、こうして久しぶりに会えるのもすごく嬉しくて。
七海 この撮影の数日前に「今度の撮影楽しみだね」という話もしていて、今朝だって「よろしくね」と連絡を取り合ったにも関わらず……。
美弥&七海 現場に来てみたら、2人の髪の色が青だったっていう。
七海 運命だよね。
美弥 運命! なんか私、今日は青な気がしたの。
七海 私は3日くらい前に、初めてブルーに染めたんだけど、美弥ちゃんは?
美弥 昨日、急いで美容院に行って「青にしてください」って言って。「かいちゃんとの撮影は青だ!」ってなぜか降ってきた。それで現場に来たら同じ髪色(笑)。
七海 完全に以心伝心としか思えない。だからこそ今日の撮影も、何だかすごく神秘的な写真が撮れたと思う。あんまり同じ髪の色で撮ることってないよね。初めての経験だし、出来上がった写真がなんか見たことのない感じだったから。
美弥 おしゃれだったよね。
七海 これ、よく話しているんですが、私の中で美弥ちゃんって、同じ県出身なんだけど、初めて見た時からすごいなんかイケてるお姉さんっていうイメージがあって……。
美弥 (爆笑)
七海 私、当時メガネをかけてレッスンを受けていて、服装もおしゃれに疎かったから、私にとって美弥ちゃんは憧れの存在だった。その受験スクールの時から。でも同期になったからいつまでも憧れてるだけじゃいけないって思って。で、予科生の時は同じ掃除場所で、そこから打ち解けていって……という感じだから、そんな美弥ちゃんとっていうのがね、本当に感慨深いなって思います。
2021.08.09(月)
Text=Kyoko Murahana
Photographs=Takeshi Takagi(SIGNO)
Hair & make-up=Tomoko Okada(TRON)〈Rurika Miya〉、Ikuko Shindo(TRON) 〈Hiroki Nanami〉
Styling=Yumeno Ogawa