自分のやりたいことを、いつも自然体で「今の時代にマッチしているのかも」
――自由な個性が尊重される時代、そこにぴたりとハマるように、お2人がそれぞれの道でしなやかに活躍されているのにも縁のようなものを感じます。
美弥 かいちゃんのほうが3カ月くらい先に退団してるんですよ。で、かいちゃんが退団してから、「このスタイルでやっていきます」っていうのは、皆さんからしたら衝撃的だったと思うんです。私とか親しい者からすると、とても嬉しいことだったんですけど、すごく新しいことだったじゃないですか。私自身も、男役、女役のどちらかに決めるつもりはなく、男性・女性とかそういうフィールドに居る必要がないと思っていたので、かいちゃんの始めた活動というのはすごく刺激的だった。それが今の時代に自然とマッチしていたというか。特に意識して、そうしたわけじゃなく、自然と。「あれ? もしかして時代と合っているかな?」という感じで。
七海 ありのままというか、決して無理しているわけじゃなく。自分のやりたいこと、やりたい方向を向いて、というのは、たしかに今の時代にマッチしてるのかも。
美弥 退団してから何かを急に変えたり、無理することなく、このままで行けるような感覚っていうのは、特に私たちにはあるかもしれないですね。
違う環境になっても同期とはいつも気持ちでつながっている
七海 美弥ちゃんはもちろん、うちの同期(89期生)はホントにみんな仲がいいなと思います。同期のグループLINEがあって、「今日は初日おめでとう」とか、「お仕事頑張ってね」とか送り合っているよね。
美弥 そうそう。退団後もみんなバラバラのところに住んでいるから、なかなか会えないけど、そういうカタチで繋がれるっていうのはいいよね。で、みんなお互いの情報をちゃんと把握してる(笑)。
七海 この間は、だいもん(元雪組トップスター・望海風斗さんの愛称)が退団したから、89期みんなで何かやろうって色々計画して、退団の数日前から、何人かずつグループで動画を送ったりしました。子育てしている子もいれば、お仕事している子もいるから、なかなか揃って何かするっていうのは難しかったんですけど、みんながガッとひとつになって、できてよかったよね、って。
美弥 今まだ現役で活躍している同期が辞める時なんて、きっと大変だよ。もう89期全員が全国から集まる勢いだよね(笑)。
――美弥さんは、同期LINEでも返信が遅いキャラ?
美弥 あっ、でも誕生日とかは覚えてて、結構ちゃんと連絡してますね。
七海 だから、“押さえるところはちゃんと押さえてる”の、美弥ちゃんは。
美弥 その言い方、すごくよくないよ(笑)。
七海 でも美弥ちゃんは、そこがいいんだよね、このちょっと「弄ばれてる」みたいな。ここぞって時はちゃんとキュッとしてて。また再確認させられるよね、魅力を。
美弥 そんなことないです。
――お2人とも、ステージに立つとため息が出るほどクールでカッコいいのに、お話しすると本当にほわっとしていて、そういうギャップも大きな魅力であり、共通点ですよね。
七海 あー、そうかも。
美弥 確かに、ギャップは激しいかも。やっぱり同期って、普段の姿でいるほうが長いから、そのゆるさを知っているからこそギャップを感じるのかも。カッコいいかいちゃんを見ると「きゃーきゃー」って思うんですけど、同時にそのすごいキメてるかいちゃんをみると、「あ、かわいい」とも思っちゃうんですよ。
七海 わかる、わかる。
美弥 「かいちゃん、頑張ってる!」じゃないけど。同期だとそういう気持ちあるよね。親心じゃないですけど。
七海 やっぱ身内感で見ちゃうところがあるから。まあ、ずっとね、永遠の絆ですね、そこは。
美弥るりか×七海ひろき スペシャルインタビュー
» 【動画あり】美弥るりか×七海ひろきスペシャルインタビューTOP
» 【インタビュー】時代と寄り添い、しなやかに。美弥るりかの“自分らしさ”探し
» 【インタビュー】 ゆるがぬ芯と柔軟な対応力。七海ひろきさんのハイブリッドな魅力
» 美弥るりか&七海ひろきが纏う、新しい風を感じるニュートラルメイク
美弥るりか
アーティスト、俳優。2003年に宝塚歌劇団に入団(89期)。幅広い役柄を好演し、人気と実力を兼ね備えた男役スターとして活躍後、2019年6月に退団。ジェンダーフリーな表現者、アーティストとして活動中。7月からは音楽劇「GREAT PRETENDER グレートプリテンダー」にて、物語のキーマン・フランス人の詐欺師(コンフィデンスマン)ローラン・ティエリー役を演じる。
七海ひろき
アーティストとして俳優、声優、歌手など多方面で活動。2003年に宝塚歌劇団に入団(89期)。2015年に宙組から星組へと組替えし、2019年3月に退団。6月末に主演舞台『Color of Theater「ROSSO」』、7月よりワンマンライブ『One-manLIVE773“FIVESTAR”』、10月には舞台『令和千本桜~義経と弁慶/コロッケものまねオンステージ2021』に出演。
2021.08.09(月)
Text=Kyoko Murahana
Photographs=Takeshi Takagi(SIGNO)
Hair & make-up=Tomoko Okada(TRON)〈Rurika Miya〉、Ikuko Shindo(TRON) 〈Hiroki Nanami〉
Styling=Yumeno Ogawa