2匹の名前の由来は人気コミックの主人公

――もう1匹のクロとは、どうやって出会ったんですか?

 シロのブリーダーさんが千葉の方で、見学に行くまで3週間くらい日にちが空いてたんです。いろんな人に猫飼いたいって言ってたんですけど、会いに行くまでの間にニッチェの近藤から「たんぽぽ・白鳥のスタイリストさん宅の隣の空き地に、黒い猫が何匹かいるらしいよ」って声をかけられたんです。親猫がいなかったんですかね? スタイリストさんが「4匹くらい保護してる」って言っていたらしくて……。

 迷ったんですけど、家を留守にすることも多いですし、2匹のほうが猫にとってもいいのかなと思って、4匹のうちオス1匹を譲り受けることにしました。ただ、オスを先に迎え入れてしまうと縄張り意識が強くてケンカしてしまうかもしれないと聞いたので、メスのシロを先に迎えて、2週間くらい経ったあと、オスのクロを迎え入れました。

――少し間隔をとって、同居させたんですね。

 外にいる猫には、猫コロナウイルスっていう病気を持っている子が多いらしくて。病院の先生曰く、幼い時と老いた時、ごく稀に発症するらしいんですけど、そうなると多くが亡くなってしまうし、発症しなくても(そのウイルスを持っているだけで)同居している猫にも移してしまうみたいなんです。もしクロが猫コロナにかかっていたら、シロとは別居させないといけないなと思ってたんですけど、かかっていなかったので安心しました。ブリーダーの方からも、「外で暮らしている猫を保護する場合、その病気だけは気をつけてください」って言われました。

うちの子ベストショット②

「あの~……見てましたよね? じゃないんだよ」(相田さん)

――シロとクロという名前は、松本大洋さんの漫画『鉄コン筋クリート』の主人公からつけられたんですよね。

 そうです、そうです。見た目も白と黒なので誰にでも一発で覚えてもらいやすいですし、あの漫画の2人のようにお互いを信頼して支え合う関係性になってくれたらなって。見かけが強そうなクロよりも、実はおっとりしているシロのほうが強いっていうバランスもあの漫画の関係そのままで、いい名前をつけたなぁと思ってます。

――一緒に暮らし始めてからの2匹は最初、どんな様子でしたか。

 クロは最初、ビビり倒していました。シロは好奇心旺盛なのでクロにちょこちょこと近づいていくんですけど、警戒心が強いクロに威嚇されて。シロはそれでも気にせずに向かっていってクロに猫パンチされるんですけど、「え、私いま殴られたの?」みたいな反応で。ザ・ドリフターズの、たらいが頭の上に落ちてるのに知らんぷりするみたいなネタと同じような顔をしてたのがかわいかったですね(笑)。

2021.07.17(土)
文=高本亜紀
撮影=平松市聖
写真=相田周二