馬車道を歩けば文明開化の音が聞こえる?

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 馬車道は、横浜開港に伴って、外国人居留地区と横浜港を結ぶ道としてつくられた歴史的な通りです。かつて乗り合い馬車が行き交った道を散策してみましょう。

 馬車道からは、ガス灯や街路樹、アイスクリームといった“日本初”のものが数多く生まれました。記念碑やモニュメント、建築物などから、文明開化によって急速に近代化した歴史をたどることができます。素通りしてしまいそうな場所に思わぬ発見があるのも、馬車道ならではの魅力。

 さらに、新旧さまざまなグルメを楽しめるのが馬車道商店街です。そのひとつ、老舗の「泉平」はなんと1839年(天保10年)創業。名物は、港町生まれのファストフードともいえる、いなり寿司です。

 開港をせまられた幕末の横浜で、港づくりに借り出された人夫たちのために、と誕生したのが、長さ約20cmのいなり寿司。片手で一度にたくさんの量を食べられるように開発されたそう。現在は半分に切って販売していますが、それでも食べ応えがあります。

 秘伝の元汁を使って煮上げた油揚げは、甘めでコクがあり、さっぱりとした酢めしとの相性も抜群。昔から変わらない味は、横浜土産の定番です。

泉平 馬車道本店

電話番号 045-681-1514
営業時間 10:00~20:00
定休日 無休
http://izuhei.net/

15:30

 「泉平」から馬車道を港へと進んでいくと、左手にひときわ目をひく重厚な佇まいの西洋建築が現れます。それが「神奈川県立歴史博物館」です。

 現在はハマっ子に「けんぱく」と呼ばれ親しまれている博物館ですが、もともとは「横浜正金銀行」でした。世界中に支店を持ち、日本の中心として横浜で貿易金融を取り扱うために設立された日本初の外国為替銀行です。

 1904年に建設された「横浜正金銀行」は、外壁に石材を使用したレンガ造り。地上3階地下1階の建物で、屋上部分に八角形のドームを持つネオ・バロック様式です。

 洋風近代建築として貴重なことから1969年に国の重要文化財に指定。また、戦前の金融の分野で重要な役割を果たしたことから、1995年に広島原爆ドームと同時に近代史跡として初めての指定も受けています。

 「けんぱく」の展示テーマは「かながわの文化と歴史」。なかでも横浜開港と近代化のコーナーには、当時の人々の思いや、世の中の大きな変化を感じとれるような資料が数多くあり、横浜が西洋文化をいち早く取り入れた場であり、日本の文化を海外へ発信する場でもあったことがわかります。

神奈川県立歴史博物館

電話番号 045-201-0926
営業時間 9:30~17:00(入館は16:30まで)
※HPからの事前予約制。詳細はHPをご確認ください。
定休日 月曜(ただし祝日の場合は開館)
https://ch.kanagawa-museum.jp/

2021.07.10(土)