■大河ドラマで沢尻エリカの代役を見事に演じ切る

 転機が訪れたのは昨年。

 大河ドラマ『麒麟がくる』(NHK)で帰蝶(濃姫)役を演じるはずだった沢尻エリカさんが降板したことで、その代役が川口さんにまわってきたのです。

 突如巡ってきた織田信長の正室という大役、そして川口さんは時代劇初挑戦。よくも悪くも個性の強い演技でその地位まで上り詰めていた沢尻さんの代役であり、また、それまで川口さんには演技派というイメージもなかったため、“川口春奈に帰蝶役が務まるのか?”と不安視されていました。

 しかし、川口さんはその下馬評を見事覆します。強くしたたかな女・帰蝶を立派に演じ切り、女優としての評価を一気に高めたのでした。

 国民的ドラマとも言える大河ドラマで結果を出したことで、“低視聴率女優”のイメージを払拭。その勢いが後押しとなり、抜擢されたのが“令和の月9”での主演だったのではないでしょうか。

 『夫のカノジョ』以来、約8年ぶりの主演作となった『着飾る恋には理由があって』は、価値観の違う人々とルームシェアしながら恋をして、友情を深めていくという“うちキュン”ラブストーリー。

 4月20日に放送された初回の平均視聴率は、残念ながら合格点の二桁に届かず、9.1パーセント(関東地区/世帯平均)でした。けれど、自らの演技で悪評を吹き飛ばした川口さんですから、培ってきた演技力と作品の魅力で、ここから視聴率を二桁台に乗せていくこともできるかもしれませんよね。

堺屋 大地(さかいや だいち)

恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。現在は『文春オンライン』(弊社)、『smartFLASH』(光文社)、『週刊女性PRIME』(主婦と生活社)などにコラムを寄稿。これまで『女子SPA!』(扶桑社)、『スゴ得』(docomo)、『IN LIFE』(楽天)などで恋愛コラムを連載。LINE公式サービス『トークCARE』では、恋愛カウンセラーとして年間1000件以上の相談を受けている(2018年6月度/カウンセラー1位)。
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2021.05.04(火)
文=堺屋大地