過去に苦い経験をした女優・川口春奈さんの復活劇。彼女のファンであれば喜ばしいこと、このうえないでしょう。

 川口さんは現在、TBS系の火曜ドラマ『着飾る恋には理由があって』に主役として出演中。実は、この枠で主演を務めるのは、なかなかの大抜擢なんです。

 今回は恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラーである筆者が、これまでの川口春奈さんの女優人生を振り返っていきたいと思います。

■2013年、“低視聴率女優”のレッテルを貼られ……

 TBS系で火曜22時から放送されている火曜ドラマは、2016年に『逃げるは恥だが役に立つ』が大ヒットして以降、ラブコメ路線を強化してきました。特に去年は『恋はつづくよどこまでも』、『私の家政夫ナギサさん』、今年は『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』とラブコメドラマのヒット作を量産しているんですよね。

 そうやって考えると、1990年代に同じように恋愛ドラマでヒット作を連発していたフジテレビの月曜9時枠、“月9”を思い出しませんか? 筆者は勝手にこのTBSの火曜ドラマを“令和の月9”と呼んでいるのですが、要するにTBSの火曜ドラマに主演するということは、現在の若手女優たちの憧れになっているはずです。

 そんな“令和の月9”に出演中の川口さんですが、彼女の女優人生は順風満帆とは言い難いものでした。

 川口さんが壁にぶつかったのは2013年、18歳のときに主演したドラマ『夫のカノジョ』(TBS系)でのこと。

 『夫のカノジョ』は第5話で、平均視聴率3.0パーセントという驚異的な低視聴率を叩き出してしまったのです。当時、“21世紀の民放連続ドラマで最低”と謳われ、そのほかの回でも3パーセント台を何度も出してしまい、最終的に短縮されて8話で打ち切り……。全話平均視聴率も4パーセントに届きませんでした。(※視聴率はビデオリサーチ調べ/関東地区)

 当時、川口さんは自身のブログで、「視聴率、視聴率、、今はすべてが数字で判断される時代なのかな?悲しいな…」と辛い心情を吐露していたほど……。

 そして『夫のカノジョ』以降、川口さんは連続ドラマ主演から遠ざかることに。『愛してたって、秘密はある。』(2017年/日本テレビ系)や『ヒモメン』(2018年/テレビ朝日系)などでヒロインを演じることはあっても、座長として作品を引っ張る大役は担っていませんでした。

 一度貼られてしまった“低視聴率女優”のレッテルを剝がせないまま月日が経っていったのです。

2021.05.04(火)
文=堺屋大地