立ち止まることで、自分の軸に沿って生きられるようになった

 映画『キセキ—あの日のソビト—』で俳優デビューを飾ってから、これまで立て続けに40作以上のドラマや映画に出演。その活躍ぶりは、誰もが目を見張るところ。

 「オーディションで選んでいただいたり、出演のオファーをいただいたからには、その人たちの期待に応えなきゃという思いで、これまでやってきました。

 ただ、気持ちはあっても、役者としての経験や演技を楽しむ余裕が足りていなかったと思います」

 そんな杉野さんに変化が訪れたのは、昨年のステイホーム期間。

 「強制的にいろんなことがストップして時間が生まれたことで、自分を見つめ直すことができたんです。

 それまでは毎日忙しかったせいか、気がついたらいっぱいいっぱいで、自分が何のためにこの仕事をやっているんだろうということもわからなくなっていて……。

 芸能界以外の道を考えることもありました。でも、ステイホーム期間にじっくり自分と向き合ったことで、やっぱり僕は人に喜んでもらうことが好きなんだなとか、人との絆や繋がりを大事にしたいんだなということに気がついた。

 このタイミングでようやく自分の軸というものができてきたんでしょうね。そこでもう一度、まっさらな気持ちで、この仕事を頑張ってみようと思ったんです」

2021.05.15(土)
Text=Ayako Kanno
Photographs=Yumiko Taruki
Styling=Shogo Ito(sitor)
Hair & Make-up=Emiy

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※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

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