「今はまっさらな気持ちで進むだけ」 杉野遥亮インタビュー(全文掲載)

　深夜ドラマで2作品連続主演を務め人気CMでは爽やかな表情を見せる、杉野遥亮さん。

　今、まさしく上昇気流に乗っている彼が俳優として迷い、自分を追い込んだ先に見えたものとは―。

　CREA WEBでは、CREA2021年春号に掲載されたインタビューを大公開します！

今はまっさらな気持ちで進むだけ

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　これまで数々の異色作を生み出してきたテレビ東京の深夜ドラマ枠。そこで史上初となる2作品連続主演に抜擢されたのが、今注目を集める俳優、杉野遥亮さんだ。

「こんな機会をいただいたことはすごく嬉しいですし、僕でいいのかなという気持ちもあります。でもやるからには、こんな時代ですし、少しでも見る人が元気になれる作品にしたいと思いました」

　小学三年生の男児に扮して話題をさらった前作「直ちゃんは小学三年生」とは対照的に、現在放送中の2作目「東京怪奇酒」で演じているのは本人役。

　自身のラジオ番組でさまざまなゲストから心霊話を聞き、怪奇現象が起こった場所にお酒を飲みに行く“俳優・杉野遥亮”の体験を描いた異色のコメディホラーに仕上がっている。

 「ドラマ『ハケンの品格』のスピンオフや『バイプレイヤーズ～名脇役の森の100日間～』でも本人役を演じてきたのですが、本人役と言っても、そういう体なだけで実際の自分とは違います(笑)。

　今回の作品も根本的に思うことや感じることにはかなり差がありますし、実際、怪奇現象は苦手なタイプ。そんな本人役だからこその難しさがありました」

　2015年にファッション誌の専属モデルオーディションでグランプリを獲得し、芸能界入り。しかし当時は、モデルや俳優業に対する熱量はそこまで高くなかったそう。

 「もちろん、キラキラした芸能界やモデル、俳優という職業に憧れはありました。

　でもどちらかというと、ずっと自由を探し求めて生きている僕にとって、就活をして一般企業で働くということがあまり想像できなかったという理由のほうが大きいです。

　そこから自分に合う仕事はなんだろうと探した結果、ここに辿り着いた感じで。最初はなんか楽しそうだな、人生経験として一回はやってみたいなという、すごく甘い考えでした」

2021.05.15(土)
Text＝Ayako Kanno
Photographs＝Yumiko Taruki
Styling＝Shogo Ito(sitor)
Hair & Make-up＝Emiy

CREA 2021年春号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。