「もう木曜日、今週末何しよう?」

 興味あることは沢山あるけど、「To Do List」じゃ重すぎる、スローなウィークエンドにしてほしい。そんなあなたのために、ゆるーい週末の過ごし方ガイドをCREA編集部が5つピックアップしてみました。

 もちろん、今週末は部屋でゆっくり寝て過ごしちゃう、なんてのもOK。だって、週末はまた来週もやってくるんだから。


①旗揚げ10周年企画、しかも「タイトル、拒絶」。観ないでどうする

「タイトル、拒絶」公演ポスター。
「タイトル、拒絶」公演ポスター。

 劇団旗揚げ10周年を迎えたロ字ック。10周年企画として『タイトル、拒絶』が現在上演中です。

 本作は2013年2月に劇団の第6回本公演として上演され、その年の劇場が選ぶ最優秀演出賞を受賞。さらに、2019年には主宰の山田佳奈自身が監督を務めた映画も公開、主演の伊藤沙莉が第32回東京国際映画祭で東京ジェムストーン賞を受賞するなど、劇団ロ字ックを代表する作品となっています。

 雑居ビルのデリヘル嬢の待機場所を舞台に、セックスワーカーの女性たち、そこで働く従業員……、交錯の中で、それぞれの人間模様が浮き上がっていく展開は圧巻です。

 コロナ禍での開催、緊急事態宣言の客席収容率50%要請の影響で、多くの舞台が困難な状況に陥っています。ロ字ックももちろん例外ではなく、一部公演の中止を決断しながらも、大きな覚悟と決意を持って公演に臨んでいます。

 そんな今、新たな試みとして、上演に合わせて公演支援プロジェクトも実施しています。舞台を、演劇を、カルチャーがこれからも長く愛されていくために、こちらも要チェックです!

ロ字ック 第14回本公演 旗揚げ10周年企画「タイトル、拒絶」

2021年2月4日(木)~10日(水)
東京都 本多劇場
脚本・演出:山田佳奈
出演:木竜麻生 / 小島梨里杏 / 川添野愛、鈴木たまよ、樹麗、田野優花 / 宮崎秋人、池田良、後藤剛範 / 信川清順、早織、安藤聖 / 美保純
※全公演完売とのことですが、一部引換券が発生する可能性があるとのこと。Twitterを要チェック!
□字ック第十四回本公演 旗揚げ10周年企画「タイトル、拒絶」特設サイト

②バディ好きにはたまらない、上質な洋画のような作品『LIMBO THE KING』

LIMBO THE KING/全6巻(講談社)
LIMBO THE KING/全6巻(講談社)

 2086年のアメリカが舞台のSFアクション。と言うと少しとっつきづらく感じる人もいるかもしれない。

 でも、このスタイリッシュな描線からなる表紙に映る、ふたりの男を見ればわかるように、実際は上質なフランス映画を彷彿とさせる、美しきバディ漫画なのです。1巻から6巻の表紙を見てください。はじめは他所他所しい雰囲気のふたりが最後の6巻では口喧嘩をしています。バディ好きなら、これだけでわかるでしょ?

 しかも作者は「地上はポケットの中の庭」「千年万年りんごの子」の田中相。しっかりと収斂されたストーリー背景から作品世界の強度が抜群な上、その中では心をざわつかせる人間模様がしっかりと描かれています。

 奇しくもこの作品の主人公ふたりが立ち向かう相手は「眠り病」と呼ばれる新型の感染症。未曾有の状態に直面した時の人びとの心理や、人間存在そのものへの問い。今の私たちにも重なりあう必読の作品です。

2021.02.04(木)
文=CREA編集部