③今だから見るべき映画『羊飼いと風船』
神秘の地・チベットの大草原。牧畜をしながら暮らす、祖父・若夫婦・3人の息子の三世代の家族。受け継がれていた伝統や価値観が近代化によって少しずつ変化しながらも、家族は昔ながらの素朴で穏やかな生活をしていた。そんなある日、子どもたちのあるいたずらから、家族の間にさざ波が起き始める……。
変わりゆくチベットで生きる人たちの姿を、真摯に時にユーモアを込めて紡ぎ出した『羊飼いと風船』が現在公開中です。
監督は、チベット映画の先駆者ペマ・ツェテン。故郷・チベットの市井の人々に寄り添う作品を生み出し、これまでに国内外の映画祭で40以上の賞を受賞。イランの名匠アッバス・キアロスタミや中国のウォン・カーウァイも、その才能を高く評価しています。
この作品の中にはいくつもの観た人の心を揺さぶるピースが散らばっています。そのかけらに触れた時、それはチベットだけの問題ではなく、自分自身の問題でもある、と気づかされました。チベットの空と日本の空は繋がっている。そんな静かな素敵な映画、今こそ観るべきです。
『羊飼いと風船』
公開中 シネスイッチ銀座ほか全国絶賛上映中!
監督:ペマ・ツェテン
脚本:ペマ・ツェテン
撮影監督:リュー・ソンイエ
美術:タクツェ・トンドゥプ
編集:リアオ・チンスン、ジン・ディー
音楽:ペイマン・ヤズダニアン
キャスト:ドルカル:ソナム・ワンモ
タルギェ:ジンバ
シャンチュ・ドルマ(尼僧):ヤンシクツォ
2019/中国/1.85:1(ビスタ)/102分/チベット語/字幕翻訳:齋藤敦子/字幕監修:星 泉/カラー/DCP 原題:気球(英題:BALLOON) 配給:ビターズ・エンド
④Dr.ハインリッヒをご存じですか?
『ニューロマンサー』(ウィリアム・ギブスン)の再来、とまで言ってもいいんじゃないかというほどの衝撃でした。初見の時は。
綺麗で華奢なふたりから飛び出る言葉の数々は不思議で骨太。あっという間にワンダーランドに連れていかれます。それは藤子・F・不二雄先生の言葉を借りれば、SF(少し・不思議)漫才なのかもしれない。
ドラえもんが机から出てきてもおかしくないと感じてしまうように、ふたりの漫才の世界も冷静に考えればフィクションかもしれないけど、どこかにあるかもしれないし、少なくとも脳が感受してビジョンを投影してしまう。これはもう反射です。謎の魅力に満ちたコンビです。
そんなふたりのYouTubeチャンネルに土日にどっぷり浸かれば、思わず笑ってしまうことはもちろん、上手くいけば解脱まで叶いそうです。
まずは、ネタからご覧ください。ハマったらふたりの「御喋りチャンネル」も是非。病みつきになること請け合いです。
Dr.ハインリッヒチャンネル
⑤2月6日は海苔の日。原点に立ちかえってみませんか
2月6日は「海苔の日」って知っていました? 節分の恵方巻を食べる習慣と合わせて、6日の前後一週間は「海苔ウィーク」とも呼ばれているそうです。
恵方巻を食べ損ねた人もご安心、せっかくならこの機会に海苔の原点である海苔弁(もちろんのり弁でも可)を食べてみるのはいかがですか。『美味しんぼ』のエピソードでもありましたが、海苔が水分を含み、しっとりとした海苔の方が滋味を感じるんですよね。
冷めていても味わい深いのものり弁の魅力。おかずと一緒にほおばるとしっかりとそのおかずを包み込み、ご飯と海苔の部分だけでいただくとしっかりと主張する。母なる海のようなお弁当。これぞ王道です。
近年は温暖化の影響での凶作もあり、価格の高騰、生産量が減少していくとともに、海苔養殖者の数も減っていっていると言います。「海苔の日」をきっかけに美味しい海苔弁を食べて、これからの未来に思いを馳せてみるのもいいかもしれません。
少し贅沢に味わうなら、海苔弁専門店「刷毛じょうゆ 海苔弁 山登り」がおススメ。自分で作ってみようという方には『日本一美味しいのり弁の作り方』(杵島直美・著)をどうぞ。
原点に立ち返る、そんな気分になれますよ。
「日本一美味しいのり弁の作り方」
杵島直美・著 日東書院本社
Column
週末何しよう? 過ごし方5選
興味あることは沢山あるけど、「To Do List」じゃ重すぎる、スローなウィークエンドにしてほしい。そんなあなたのために、ゆるーい週末の過ごし方ガイドをCREA編集部が5つピックアップしてみました。
もちろん、今週末は部屋でゆっくり寝て過ごしちゃう、なんてのもOK。だって、週末はまた来週もやってくるんだから。
2021.02.04(木)
文=CREA編集部