「人生でずっと続けられてるものは音楽しかない」と語る安斉かれんさん。2019年に歌手デビューし、2020年は初の演技に挑戦したドラマ「M 愛すべき人がいて」で主演を務め、注目された21歳だ。

 2021年2月10日(水)にリリースする、8thシングル「キミとボクの歌」は自身初のバラード。作詞はこれまでどおり安斉さん自身、そしてストリングス・アレンジを手掛けたのは、ザ・ローリング・ストーンズやThe 1975、アリアナ・グランデ等、数々の世界的なスターの弦編曲を担ってきたデヴィッド・キャンベル。

 スペシャルなタッグによって生まれた「キミとボクの歌」は、等身大の不安や弱さが乗せられたドラマティックなバラード曲となっている。新曲に込めた想いや、普段の楽曲制作の様子など、お話を伺った。


先のことや夢のことを考えなくて、今を生きることが答えかもしれない

――ニューシングル「キミとボクの歌」は作詞だけでなく、ピアノ演奏も担当されたそうですね。

 そうなんです。元々小学校からエレクトーンをやっていたり、楽器は色々やっていました。なので、いつかピアノができたらいいなってずっと思っていて、今回は初のバラードでピアノが合う曲だったので弾かせていただきました。

 でも、ピアノはコードを見ながら弾いて歌うくらいしかできなかったので、たくさん練習して。難しかったけど楽しかったです(笑)。

――曲はどういう風にできていったんですか?

 曲のラフをいただいて、それを聞いて歌詞を書きました。それで、その後にアレンジが加わるっていう流れでいつも曲ができていくんですね。

 「キミとボクの歌」はラフを聞いた時から、「絶対良い曲! 好き!」って思ったんです。その後またストリングスが入ったアレンジを聞いて「すごい良い!」って思って興奮しました。

――詞はいつ頃書いたんですか?

 去年の2月頃です。その時はまだ、ドラマやバラエティに出る前で。

 日常的に自分の気持ちをスマホのメモに書いてるんですが、曲をいただくと、そのメモを見ながら歌詞にあてはめていって。「この曲にはこの言葉は合わないな」とか、「この曲にはこれだな」とか考えて歌詞を膨らませていきます。

 今回の歌詞は、「やっとこの歌詞を出せた」って気持ちがあります!

――序盤から、光があれば影があるということが綴られていて、全編を通して、不安や弱さを抱えて生きることが歌われています。

 難しい曲に聴こえるかもしれないですけど、そんなことなくて。日常的な「キミとボクのふたりの世界」をイメージしました。

 Bメロの「キミとボクが重ねてきた ただの言葉たちも 誰にだって、届かない物だよ」とか「ちっぽけで、下らない事だよ」って歌詞に一番それが出てるかなって思ってます。

 不安や怖さは誰しもが絶対に持っているもので、「キミ」っていうのは家族でも恋人でも友達でも、大切な人ひとりひとりのこと。その人たちとの日常の歌なんです。

――「ただ生きているんだ」ということが歌われながらも、最後は大きな希望を描いています。この構成にはどういう気持ちを込めましたか?

 私は「夢や希望を作らない」ってよく言うんですけど。先のことや夢のことを考えず、今を生きることが答えかもしれない、今を積み重ねていけばそれが明日の光になるっていう気持ちを込めました。

 夢を作ることによって、「こういうことをすれば夢が叶うかも」っていうプレッシャーが生まれるのが嫌で、今を全力で頑張った積み重ねの先に何かが繋がればいいってスタンスのほうが自分に合ってると思ってるんです。

 もちろん今できることを精一杯頑張るんですけど、考え出すと余計なことも色々考えちゃう性格なので(笑)、だったら今のことを考えて次のことを考えないほうが、自分らしいなって。

2021.02.08(月)
文=小松香里
撮影=榎本麻美