“安斉かれんらしさ”はまだ自分の中でわからない
――ドラマが話題になって以降、環境は変わった?
もちろん知ってくれる人はすごく増えたけど、自分自身は全く変わってないと思います(笑)。
役のアユとして見られることに対しても、それはもうしょうがないことだと思っていて。
私も他の人に対して、「あの映画の主人公の人だ」っていう風に見たりするし。それはお芝居をやる上で当たり前のこと。
作品で私のことを知ってくれて、ちょっとでも私の曲を聴いてくれる人がいたらプラスですよね。そこで初めて安斉かれんって歌手を認識してもらえる。だからこそ自分の歌詞を貫きます。
――「キミとボクの歌」の歌詞にも、自分らしく自然に生きる安斉さんの素顔を感じました。
ありがとうございます。“安斉かれんらしさ”みたいなものがまだ自分の中でわからなくて、いろんな曲に挑戦したいと思ってます。
「安斉かれんといえばこれ!」みたいなのって、まだまだ必要ないかなって。そういうのは、自然と出てくるものだと思うし……。
好きなものはたくさんあるんですけど、人生でちゃんと続けられてるものが音楽くらいしかなくて。だったら好きを突き詰めようって思ってます。
――音楽が唯一続けられている理由を自己分析すると?
一番はやっぱり好きだから(笑)。
それと、生きていくと自然と思い出に何かしらの曲がつくじゃないですか。「この曲はあの場所で聞いたな」とか、「この人と一緒だったな」とか。
そういう風に人の人生の思い出になれるのって音楽しかない気がしていて。ジャンル問わず、音楽がいろんな人の人生にいっぱい登場するのがおもしろい。
今は自分もこうやって曲を出させてもらえる立場になって、「かれんちゃんの曲聴いて告白しました」ってメッセージとかもらうんです。
そこで一番感じるのは「嬉しい」って気持ちだけど、「今までは受け手側だったのに」って、すごく不思議な感覚になります。「音楽って楽しい!」と思ったし。
でも、そういう気持ちを感じられるのも、やっぱり等身大の想いを歌詞にしてるからこそだと思うんです。適当に書いた歌詞だったり、誰かの指示が入ってる歌詞を書いていたとしたら、私のようで私じゃないし。だからそれに反応してもらっても、そんなに嬉しくないんじゃないかなって。
ちゃんと自分の言葉で書いてる歌詞に反応があることによって、もっと自分に返ってくるものがある。やっぱり自分が音楽を楽しんでないと、聴く人にも伝わらないと思うから、今を楽しもうって思いますよね。曲を聴いてくれる人と好きなものを共有するみたいな感覚なんです、きっと。
――2021年はどんな年にしたいですか?
音楽の年になればいいなって思ってます。2020年は本当にいろんなことをやらせてもらって、初めてのことだらけでした。
一日一日をどう過ごすかでいっぱいいっぱいだったところもあったんですけど、今年はその経験も活かしながら、自分のことをもう少し客観的に見られるようになりたい。それでいて、音楽に繋げていきたいなって思いますね。
安斉かれん(あんざい・かれん)
1999年8月15日、神奈川県生まれ。幼いころから音楽に親しみ、高校1年生からavexの原宿アカデミーに通い始める。2019年5月にデジタルシングル「世界の全て敵に感じて孤独さえ愛していた」でデビュー。2020年ドラマ「M 愛すべき人がいて」では、演技初挑戦ながらW主演に抜擢。今回リリースする「キミとボクの歌」は8枚目のシングル。横浜FM放送にてレギュラーラジオ番組「てくてくかれんだー」が放送中。
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「キミとボクの歌(ピアノ Short Ver.)」
安斉かれん初のバラード曲。作詞およびピアノ演奏は本人が手掛け、デヴィッド・キャンベルがストリングス・アレンジを担当。「光=希望」と「闇=不安」の両方を抱えながらも、目の前の日常から逃げず、明日へと向かうしかないという思いが描かれている。2021年2月10日(水)よりリリース。リリースに先駆けて、安斉かれん自身がピアノで演奏したショートバージョンが配信中。
「キミとボクの歌(ピアノShort Ver.)」配信情報
https://KalenAnzai.lnk.to/kimitobokunouta_piano/
Instagram / REELとTikTokで『キミとボクの歌』Short Movieを続々公開中!
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2021.02.08(月)
文=小松香里
撮影=榎本麻美