歌詞を書く時、一番は「今を書く」っていうことを大事にしてます
――日常的に詞をメモするようになったのはいつからなんですか?
歌を始めると同時に書き始めたので16歳の時ですね。
考えてることを普段人にぶつけないタイプなんです。相談もあまりしない。だから、思ったことを伝えるのは歌詞しかなくて。
歌がものすごくうまいってわけでもないので(笑)、自分の強みはなんだろうって考えた時に、気持ちを文字にすることかなって思ったんです。
歌うんだったらやっぱり自分で歌詞を書くことが大事かなって思って書き始めました。
――やはり、等身大の気持ちを書くことを大事にしているんですか?
ずっとそうですね。昔出してた曲って高校生の時に書いてた歌詞が多くて、今見ると恥ずかしくなっちゃう(笑)。
その頃は周りも進路をどうするか決めてたりしていたので、「私はただ歌っていていいのかな」って、色々と考え込んじゃってたんです。その気持ちがそのまま書かれていて、日記を読み返してるみたいな気持ちになるんですけど。
歌詞とともに、一緒に成長していきたいなって思ってます。背伸びして書いちゃうと、その曲に思い入れがなくなっちゃう気がして。だからやっぱり一番は「今を書く」っていうことを大事にしてます。
――そう思うことで楽になれた?
そうですね。そういう考えを自分の中で見つけてから、生きやすくなった。
焦らなくても、今できることを頑張っていれば結果はついてくるんだなって。歌をこうやってやらせてもらえてるのも、そういうことだと思うし。
ちゃんとやっていれば何とかなる! って思います(笑)。今を手抜きするとかじゃなくて、今を頑張りましょうってことだけかなと。
それこそ、「キミとボクの歌」の歌詞を書いた時は、ドラマに出ることは決まっていて。もちろん嬉しかったんですけど、お芝居をしたことなかったので「どうしよう……?」とは思ってました。
今思えば、その頃から「先のことを考えてもプレッシャーになるだけだ」って思うようになって(笑)。それで、今必死にできることをとりあえずやっていこうって思い始めたんですよね。
2021.02.08(月)
文=小松香里
撮影=榎本麻美