「おっさんずラブ」をはじめとした、数々のドラマや舞台に出演し、注目を浴びている女優の伊藤修子さん。

 大の香港好きとしても知られている伊藤さんが偏愛する、“東京で味わえる”至極の香港グルメをご紹介します。


◆三茶酒家 香港バル213[三軒茶屋]

 今回、ご紹介したいお店は、東京・三軒茶屋にある「三茶酒家 香港バル213」です。

 「三角地帯」と呼ばれる、飲食店がギュッと集まったディープなエリアに佇むこちらのお店。最初は、そのノスタルジックな雰囲気が気になり、訪れました。

 あくまで香港「風」のバルなのかと思いきや……現地感が溢れるメニューがずらりとラインナップされていて、都内では中々お目にかかることのできない、あれやこれやの本場の味に感動の連続でした!

 ぜひ、CREA WEBの読者の皆様にも、この味をご紹介したく、お気に入りのメニューをとことん食べ尽くしてきました!

●特製海老ワンタン麺

 まずは、細く弾力のあるちぢれ細麺の香港麵がとても美味しい「特製海老ワンタン麵」。訪れたら、絶対にオーダーしたい逸品です。

 見た目も味も、香港で実際に提供されているスタイルに非常に忠実で、一気に香港にトリップしている気分になれること間違いなし!

 短時間でサッと茹でた麺は、軽食感覚でスイスイと箸が進みます。麺が伸びないうちに、急いで食べるのがポイントですね。

 ゴロっとした海老が贅沢に入ったプリプリのワンタンも、食べごたえ十分で美味。更に、味わい深いスープが麺と絡み合って、胃の中に染み渡ります。

 これぞ、「至福のメニュー」と言っても過言ではありません。ぜひ、皆様にも味わっていただきたいです!

●スイスチキンウイング

 お次は、真っ黒な見た目がインパクト大の「スイスチキンウィング」です。

 こちらは取材時に初めていただいたメニューなのですが、中華スパイスや色の濃い老抽(中国のたまり醤油)などで、甘くこってりと煮込まれた深みのある味に、すっかり虜になってしまいました。

 一見、洋風のメニューにも見えましたが、実際に食べてみると、完全に中華テイスト! 鼻に抜ける漢方の香りが、またも香港にいる気分にさせてくれます。

 そして更に食べ進めていくと、なぜか白いご飯が欲しくなる……。そんな、日本人好みの味になっています。

 ところで、こちらの気になるメニュー名。スイスと関係があるのかな? と思ったのですが、実際は全く関係ないそうで(笑)。

 ウエイターが「スイートチキンウィング」と説明したのを、お客さんが「スイスチキンウィング」と聞き間違えて、そのまま広めてしまった説があると伺いました。もしそれが本当なら、面白いですよね!

●芥蘭 茹でオイスターソース

 そして、日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、香港野菜の「芥蘭(ガイラン)」を使っているのが、こちらのメニュー。これも「まさに香港!」というひと品です。

 「芥蘭」は「チャイニーズケール」とも呼ばれている、とても歯ごたえのある野菜で、その食感とほのかな苦みは唯一無二。現地を思い出させてくれる最高の食材です!

 日本にある食材だと「スティックセニョール(茎ブロッコリー)」に近いのですが、「芥蘭」に比べるとやや物足りなさを感じてしまいます……。

 シャキシャキした茹で具合も抜群で、オイスターソースにぴったり。ひと皿ぺろりと完食してしまいました。お野菜不足もこれで解消できますね!

 また、香港の飲食店とは違って、食べやすい長さにカットされているのも嬉しいところです。

2021.01.31(日)
文=伊藤修子
撮影=佐藤 亘