邦画最高峰のアクション作品として屈指の人気を誇る『HiGH&LOW』は、男たちの闘いと熱い友情ドラマを描いたシリーズ。

 現在、『HiGH&LOW』公式YouTubeチャンネルにて、シリーズ4作品が2020年4月12日(日)まで期間限定で無料配信されている。

 これは、新型コロナウイルスの感染拡大防止による不要不急の外出自粛要請などが行われている現状を受け、「HiGH&LOW」製作委員会の「ご家庭で過ごす時間が多くなっている全国の皆さまに少しでも楽しんでもらえる時間を提供し、日々の不安を拭い去ることに貢献したい」という“ITOKAN”のように温かい気持ちによるものだ。

 同シリーズの過去の応援上映でもよく叫ばれていた「\松竹さんありがとう!/」という感謝を胸に、4作品の見どころを作品の目安時間&名台詞と合わせてご紹介したい。

 熱心なファンの方には朝飯前の復習、初見の方にはざっくり入りやすいポイント解説になるので、みんなで一緒にプレイバック!


『HiGH&LOW THE MOVIE』

「伝説の始まり」となった映画第1弾

 チーム「ムゲン」のテーマソング『MUGEN ROAD』の歌詞にある通り、「伝説の始まり」となった映画第1弾。

 物語は、5つのチームが拮抗するエリア「SWORD」のメンバーたちと、伝説のチーム「ムゲン」の琥珀(AKIRA)・九十九(青柳翔)、最強の兄弟「雨宮兄弟」(雅貴[TAKAHIRO]、広斗[登坂広臣])らを中心に進む。

 冒頭、海外マフィアと手を組み、「SWORD」を支配しようとする琥珀の姿が映し出される。

 「SWORD」の「S(山王連合会)」に所属するコブラ(岩田剛典)らにとって、琥珀は憧れの存在だったが、そんな琥珀の突然の裏切りにも見える行動に、コブラらは絶句。

 暴走を止めようとした瞬間に出たコブラの「どうしちまったんだよ、琥珀さん!」(44分)こそ、名台詞。

 そう、「どうかしちまった琥珀さん」を軌道修正させることが、この物語のすべてなのだ。

 シリーズ未見の方でも「『HiGH&LOW』はアクションがすごいらしい」と耳にしたことはあるかもしれない。

 噂のアクションを堪能できるのが、1時間18分から起こる全キャスト集結のコンテナ街での大抗争だ。

 激しい肉弾戦でやりあう男たちの闘いが画面いっぱいに広がり、尋常ではない本気度&アクションの速さに圧倒される。

 引きでも寄りでも画になるカットの秀逸さは、邦画では類を見ない仕上がりだ。

 驚くべきことに、このアクションシークエンスが物語終盤(全尺は2時間9分)までずっと続くのだから、バリエーションの豊かさにも平伏する。

 邦画アクション界の新たな金字塔を打ち立てた、画期的な作品だ。

2020.04.08(水)
文=赤山恭子