『HiGH&LOW THE MOVIE 3 / FINAL MISSION』
物語はクライマックスへ! 伝説の「生コン飲み」も
シリーズは、いよいよクライマックスへ。
死闘の末、政治家と九龍グループの癒着を世間に公表できた琥珀たち。
しかし、巨大な影の動きにより総裁は釈放され、九龍が反撃に出て、カジノ計画と同時に「SWORD壊滅行動」も遂行されていく。
これまで山王連合会の頭として、九龍の圧力に屈さなかったコブラだが、拉致され激しい拷問に遭うことに。
つるされ、いたぶられ、傷を負うコブラに、伝説の「生コン飲み」が開始(40分、必見)。
このシーンにおいては、公開当時のイベントで、岩田が「ゴマ豆腐だからおいしかった~」とにっこりし、接近戦で対峙する黒崎君龍役の岩城滉一も、「顔が近くて、かわい~と思った」と返す、ほっこりエピソードも。
実情とは真逆の、ふたりの体を張ったやり取りをご覧いただきたい。
『3』において、忘れがたい存在が「SWORD」の「R(RUDE BOYS)」リーダー・スモーキーを演じた窪田正孝だろう。
病魔を抱え、弱りきったスモーキーが、九龍により住み慣れた街が破壊される様子を見て、家族同然の仲間に自分を置いて逃げろと告げるシーン(43分)。
仲間が離れるのを嫌がる中、「みんな、いつまでも一緒だから」と説得する。
ひとりになったスモーキーは、薄く微笑み天を仰ぎ、「あの日も、こんな寒い夜だった……まったく、最高の人生だった」と名台詞を放つ。
大げさではない温かい台詞回しこそ、若手随一の演技派・窪田の真骨頂。優しい瞳の鈍い光、フラッシュバックする過去映像とともに、我々は落涙するしかない。
すべて観終わり「どはまりした!」方には、ドラマに加え、山王連合会ダン・テッツ・チハルによるスピンオフ『DTC -湯けむり純情篇- from HiGH&LOW』、「SWORD」の「O(鬼邪高校)」と人気コミック「クローズ」「WORST」がクロスオーバーした『HiGH&LOW THE WORST』もあるので、ぜひチェックを。
『HiGH&LOW』公式YouTubeチャンネル
赤山恭子(あかやま きょうこ)
エンタメ雑誌編集部に勤務後、ハリウッド映画の版権を買い付け日本国内で販売するディストリビューターを経て、フリーの映画/エンタメライターに。現在は、監督・俳優のインタビューを中心に、現場取材、映画紹介コーナーほかも担当。相手の心に寄り添い、時に突っ込みながら深めてゆくインタビューが持ち味。
2020.04.08(水)
文=赤山恭子