『HiGH&LOW THE MOVIE 2 / END OF SKY』

過激なカーチェイス、バイクアクションに注目

 『THE MOVIE』のその後が描かれる『2』。コブラたちの必死の説得により、本来の姿を取り戻した琥珀が、「SWORD地区」の支配をもくろんでいた九龍グループと、本格的な抗争を始めるストーリー。

 『2』からは、いよいよプロの殺し屋・源治(小林直己)が登場。

 政治家と九龍の癒着を示す「カジノ計画」の裏帳簿が入ったUSBを持つ琥珀と九十九を、源治が奇襲するシーン(26分)では、日本刀を構え和服で勢いよく向かってくる異様な姿に、こちらの膝が震える。

 何とかまいた琥珀らが雨宮兄弟と合流した次の場面(56分)では、安心も束の間、源治、アゲイン……。

 源治VS4人の激しいカーチェイス、バイクアクションはシリーズ1と言っても過言ではなく、九十九の“スライディングフロントガラス”、源治の“車→バイク飛び乗り芸”なども展開。

 どこまでも追ってくる源治は、「始末人(ターミネーター)」の異名を持つにふさわしく、ワクワクさせてくれる最恐の敵だ。

 一方、その頃、「SWORD」の「W(White Rascals)」の頭ROCKY(黒木啓司)は、White Rascalsの縄張りとともに「SWORD地区」を奪おうとする「DOUBT」らと決闘していた。

 決戦前、ROCKYが仲間に放った「いいか、奪うためじゃねえ、守るための闘いだ」(1時間20分)は、じんとくる名台詞。

 しかし、いざ闘いが始まると圧倒的な勢力差でWhite Rascalsは敗北寸前。

 ダメかと思ったそのとき、「SWORD」メンバーが仲間を助けるため、自分たちの居場所を守るため初めて手を組む。青春映画のような味わいも残し、『3』に続く。

2020.04.08(水)
文=赤山恭子