精神科医・星野概念さんによる4つの処方箋

#01 自分自身をモニタリングする

「認知行動療法でも必ず行われるほど、悩みに対して効果的なセルフモニタリング。

 頭の中のモヤモヤを書き出すことで悩みの実体がわかってくると、暗闇の中で光が見えるような希望が感じられます。

 入り組んだ迷路を上から見るように、自分の悩みを俯瞰で見ると、そうしないよりも少しは冷静に対処できるかもしれません。

 モヤモヤを感じたとき、何を考えたか、どんな感情が生じたか、どんな行動をとったのか、身体の反応として何かあったのか、などに分けてセルフモニタリングすることを、実際の診療で練習することもあります」

#02 自分の取扱説明書をつくっておく

「『これをやると自分はうまくいく』というジンクスやおまじないのようなものを自分の取扱説明書としてメモしておいてください。

 例えばラグビー元日本代表の五郎丸選手が試合中にしているような決まったポーズでもいいですし、『あの店のハーブティーを飲むと調子がよくなる』などでも。

 大雑把な情報ではなく、なるべく細かく記しておくほど有効です。

 忙しかったり、気持ちに余裕がなかったりしても、すぐに取扱説明書を見返すことで『ああ、自分はこれをすることで調子が良くなるんだった』と思い出すことができるかもしれません」

2020.03.23(月)
Text=Mayumi Amano
Illustrations=Qoonana

CREA 2020年4月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

ポジティブな自分になれるもの。

CREA 2020年4月号

美容から人生変えてみる?
ポジティブな自分になれるもの。

定価820円

なんでもないことでイライラ、頑張っているのに空回り。そんな誰にでもある心のモヤモヤを、日々の美容の積み重ねで解消できればと思い、様々な専門家に取材しています。肌と心と体は密接に繋がっているから、スキンケアのテクスチャーが前向きな気分に変えてくれたり、腸を整えることでポジティブになれたりするものです。