4つの処方箋 #03~04

#03 捉え直しで感情をプラスに変える

 心理療法やコーチングなど幅広い分野で用いられる捉え直し(リフレーミング)。

「物事を一カ所からではなく、複数の角度から見ることで、見え方は大きく変わるもの。

 例えば理不尽なことがあったときに、『こんな貴重な経験をさせてくれてありがたい』と考え方を変えてみる。

 ネガティブな出来事も自分の中で捉え直すことで、心に負の感情が残りづらくなることも多いです。

 逆に『ムカつく』といった負の感情を抱いたままだと傷が深く残ってしまう。出来事の解釈がプラスに変化すると、生じる感情も変わるものです」

#4 ニュートラルな心に戻れる基地を見つける

 何かあっても「そこに行けば大丈夫」と思える、安心できる基地。

「話を聞いてくれる家族や友人のいる場所でもいいし、不調の相談にのってくれる街の漢方薬局や、信頼できる占い師のところでも、どこでもいいんです。

 誰かに話を聞いてもらうとそれだけで気持ちが軽くなることも少なくないと思います。

 人に会うのがストレスなら、好きなことに没頭できる自分の部屋でもいいでしょう。

 何もかもうまくいかないときに逃避できる場所をつくり、自分の心をニュートラルに戻せる場所があることが重要なのです」

教えてくれたのは……
星野概念(ほしの がいねん)さん

精神科医。病院勤務の精神科医。執筆や音楽活動も行う。雑誌やWebでの連載のほか、寄稿も多数。音楽活動はさまざま。著書に、いとうせいこう氏との共著『ラブという薬』(リトルモア)がある。

心のモヤモヤと
うまく付き合う

2020.03.23(月)
Text=Mayumi Amano
Illustrations=Qoonana

CREA 2020年4月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

ポジティブな自分になれるもの。

CREA 2020年4月号

美容から人生変えてみる?
ポジティブな自分になれるもの。

定価820円

なんでもないことでイライラ、頑張っているのに空回り。そんな誰にでもある心のモヤモヤを、日々の美容の積み重ねで解消できればと思い、様々な専門家に取材しています。肌と心と体は密接に繋がっているから、スキンケアのテクスチャーが前向きな気分に変えてくれたり、腸を整えることでポジティブになれたりするものです。