NHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」では森繁久彌を演じるなど、若手演技派として注目の29歳。
実際に映画監督でもある彼が、監督志望の青年を好演した『わたしは光をにぎっている』に対する作品愛について熱く語る。
29歳で高校生を演じたドラマ
「べしゃり暮らし」
――今年は森田まさのりの人気コミックをドラマ化した「べしゃり暮らし」で、お笑い芸人で頂点を目指す高校生を演じました。
さすがに、この年齢で高校生役をやるとは想像もしなかったですね(笑)。そのため、役作りに関しては、人間臭さ云々というより、単純に高校生に見えるか? といったところから入りましたね。
でも、あまり考えてもしょうがないので、高校生に見えていることを前提に(笑)、その場その場で自分のやるべきことをやるだけだなと開き直りました。
めちゃめちゃ楽しい現場でしたが、もう高校生役はムリです!
――最新出演映画『わたしは光をにぎっている』では、映画監督志望の青年・銀次を演じていますが、まさにハマり役ですよね。
中川龍太郎監督が「役者だけじゃなくて、ものづくりをやっている人にお願いしたかった」ということで、今回お話をいただきました。
銀次はとにかく自分が育った大好きな街を、その自己確認の意味を含めて、映画という媒体を使って記録したい。そういった意識が強い男だと思います。
とはいえ、映画監督っぽさを出そうとは思いませんでした。大事なのは、街も人も職業も変わっていく中で、街をテーマにした作品を撮ったということ。そのことを胸に秘めて、一瞬一瞬を大事に生きてほしい、という思いで演じさせてもらいました。
2019.11.15(金)
文=くれい響
撮影=平松市聖