約2年ぶりに3枚目のアルバム『Share the Light』を発表した8人組ソウルバンド・思い出野郎Aチーム(OYAT)。

 今回、ニューアルバムのリリースを記念して、フロントマンの高橋 一さん(通称:マコイチ)と、かねてから思い出野郎Aチームのファンを公言していた光石 研さんの対談が実現!

 光石 研さんが主演を務めたドラマ「デザイナー 渋井直人の休日」に思い出野郎Aチームがオープニング曲を提供するなど、実は交流のあるお二人に、思い出野郎Aチームの楽曲や、今まで影響を受けてきた音楽について、とことん語っていただきました。

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▼talk02

思い出野郎の新作には
ラテン・フレイヴァーがある

光石 (思い出野郎Aチームの)曲はどうやって作ってるんですか?

高橋 誰かがネタを持ってきて、そこからセッションで広げていくことが多いです。

 でも、新作のサード・アルバム(『Share the Light』)では結構違う作り方をして、ドラムパターンから最初に全部決めていきました。

光石 それは珍しいことなんですか?

高橋 バンドでは、あんまりないかもしれないです。でも、ヒップホップの人たちは最初にドラムパターンから作るのが多いから、そういう影響もあるのかなとは思います。

 要するに、セカンド(『夜のすべて』)までのセッションで作るやり方だと、だんだんみんなの手癖に頼って、みんなが気持ちいい演奏のスタイルが固まってきちゃう。

 そういうやり方のピークとして「ステップ」ができたので、次はそこからもっとあたらしいやり方でないといけないねという話になったんです。

──光石さんは、これまで思い出野郎(Aチーム)のアルバムを3枚聴いてきて、変化は感じられてます?

光石 僕はただのファンなんですけど、今回の新作はラテンというか、チカーノ色が強くなったなと思いました。

 ファースト(『WEEKEND SOUL BAND』)は、やっぱりいろいろやってみたかったんだろうなという感じ。

 セカンドでは結構サウンドがまとまって。今回はラテン色が強くなったと思ってます。

高橋 ファーストは、そのときあったレパートリーを録ってみた感が強かったし、バンドとしてもどこに向かうのかそんなに定まってなくて。セカンドではそれを一回整理してみた感はありますね。

 今回はいろんなことを取り入れつつ、ヴァリエーションを出そうとやってたので。

 新作に入ってる「繋がったミュージック」とかはラテン・フレイヴァーでやってみたんですけど。

 ラテンって意外とソウルと近い場所にあるし、華やかさには憧れていたので。

2019.11.09(土)
構成・文=松永良平
撮影=佐藤 亘