自分の声でもソウルを
歌っていいと思った
光石 (マコイチは)いつから楽器はやってたんですか?
高橋 トランペットは小学校6年生のときでした。中学校まではブラバンで吹いてたんですけど、高校生になると自分でバンドを始めちゃって、部活動はダサいみたいになっちゃって。
でも、後でソウル・ミュージックやジャズを知っていくと「あ、トランペットもアリじゃん」って戻っていった感じです。
──実は、マコイチくんは思い出野郎結成直後までは歌ってなかったんですよね。
光石 えー、そうなの?
高橋 インストバンドの予定だったんです。ちょうど僕らが大学生だった10年くらい前ってインストのレアグルーヴがまた流行ってて。
最初は、JB’sのコピーをしたり、結構かっこいいインストファンクでやろうとしたんですけど、みんなヘタクソで全然うまくできなかった。なので「歌、入れようか」ということになって歌い始めたんです。
光石 へー、そうだったんだ。歌ったのは、そこで初めてだったの?
高橋 前にやってたロックバンドではちょっと歌ってたんです。こういう声なんで自分が歌うとしたらソウルじゃなくてロックだろうなと思ってて。
でも、その頃にJAGATARAみたいなスタイルで日本語で歌うファンクもあると知って、こういう感じなら自分が歌うのもアリかもなと思いました。
それに、あらためて海外のソウルを聴いてみたら、結構がなってる人もいっぱいいるんだって発見もして。
──今はたいていは思い出野郎の印象というと、マコイチ(高橋)くんの特徴のありすぎる歌声の話になることが多いですけどね。
光石 「バイプレイヤーズ ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~」(テレビ東京系/2017年~)を撮影してたときに、田口トモロヲさんと話してたら、田口さんも思い出野郎のことをご存じで、「かっこいいよね、声がいいよね」って言ってましたよ。
高橋 びっくりしますね。おそれ多いです。
光石 「今度ライヴあるときは行くんで絶対誘ってよ」って言われていて、まだ実現してないんですけど(笑)。でも、何かの機会には一緒に行きたいと思ってます。
» talk3へ続く(11/11公開予定)
光石 研(みついし けん)
1961年生まれ。福岡県出身。高校在学中の78年に映画『博多っ子純情』の主役に抜擢を受け、俳優デビューを果たす。主な出演作に、映画『Helpless』『紀子の食卓』『ヒミズ』『シン・ゴジラ』『アウトレイジ 最終章』『モリのいる場所』『羊と鋼の森』『教誨師』、ドラマ「バイプレイヤーズ」「未解決の女」「ハゲタカ」「フェイクニュース」などがある。テレビ東京系「木ドラ25」『デザイナー 渋井直人の休日』では主演を務めた(2019年1~4月放映)
●鈍牛倶楽部(所属事務所)公式サイト http://dongyu.co.jp/
高橋 一(たかはし まこと)
1986年生まれ。東京都出身。多摩美術大学在学中に結成した8人組ソウルバンド「思い出野郎Aチーム」のヴォーカル、トランペット担当。愛称「マコイチ」。全曲の作詞を手がける。思い出野郎Aチームは2014年12月にシングル「TIME IS OVER」でデビュー。現在までに『WEEKEND SOUL BAND』『夜のすべて』『Share the Light』と3枚のアルバム、EP『楽しく暮らそう』などをリリース。バンド主催のイベントなど精力的なライヴ活動を続ける。2019年はマンスリーイベント『ウルトラソウルピクニック』を全国各地で行っている。
●公式サイト https://oyat.jp
●カクバリズム(所属事務所)サイト https://kakubarhythm.com/artists/oyat
思い出野郎Aチーム
3rd ALBUM『Share the Light』
カクバリズム 2,700円 発売中
https://kakubarhythm.com/special/sharethelight/
ニューアルバム発売記念対談 光石 研×高橋 一(OYAT)
2019.11.09(土)
構成・文=松永良平
撮影=佐藤 亘
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