「これまでトレーニングの常識として、“トレーニングをしてバストを美しくする”という考え方はそもそもありませんでした。

  “大胸筋を鍛えて胸板を厚くする”といった男性的な目的はあっても、“丸くて柔らかそうなおっぱいを作る”というメソッドを私自身、見たことがありません」

 脂肪を生かした女性らしい体づくりを目指すオリジナルメソッドを開発し、「日本一予約がとれないトレーナー」と呼ばれる相良梢さんがメソッドを特別伝授します。

胸のコンプレックスのある方が
トレーニングの成果が出ます

 私のバストサイズは94センチ、Jカップのブラを選ぶことが多いです(メーカーによって多少異なります)。もともと胸は大きい方でしたが、出産後さらに大きくなり、当時の授乳ブラの最大サイズ、100センチの商品でも弾けてしまうほどでした。

 そして、そんなに大きくなった胸が授乳を機に思いっきり垂れてしまったんです。これは相当なショックでした。当時私は17歳だったので、顔つきはまだまだ幼く子供っぽいのに対し、体だけはおばあちゃんのようになってしまって……。人に見られるのが嫌で、誘われて銭湯に行っても隠しながら入浴していました。

 そんなコンプレックスの塊だった私の胸が、現在のようにみなさんに「美胸」と言っていただけるようになったのは、他でもない自分自身でつくり上げたトレーニングの賜物です。現在では、多くの女性のみなさんに「美胸」を手に入れていただきたく、私が考案したメソッドを実践していただいています。

 胸の筋肉=大胸筋は、上部・中部・下部と大きく3つに分けられます。上部は、中部と下部に比べてそもそも脂肪がとても少なく、トレーニングを行なうことによる脂肪減少のリスクに値しません。つまり、大胸筋上部だけを鍛えることができれば、中部と下部の脂肪はキープでき、胸が小さくなるリスクを最小限に抑えられるのです。

2019.10.27(日)
文=君塚麗子
撮影=鈴木七絵、三宅史郎