草千里を馬で駆ける!
金色乗馬にトライ

 阿蘇を訪れるのなら、ぜひ体験してみたいのが乗馬。そして、秋だからこそ楽しめるのが、「金色乗馬」。

 阿蘇では知られた「エルパティオ牧場」と提携した、「星野リゾート 界 阿蘇」オリジナルの乗馬アクティビティーだ。

 醍醐味は、スタッフに手綱を引かれた馬に乗る「引き馬」ではなく、自分の手で馬を操り乗りこなすこと。

 阿蘇五岳や九重連山を望む360度の大パノラマを眺めながら、黄金色に輝くすすき野原を、カウボーイのように馬で駆ける……そんな物語のようなシチュエーションを想像するだけでワクワクしてしまう。

 まずは馬に乗ってから、操縦の仕方の練習。馬を熟知したスタッフが、乗り方から歩かせ方まで、丁寧に教えてくれる。

 右に行くときは手綱を右に引っぱり、止まるときは手前に引いて、前に進むときは鐙を足で蹴る。

 意外と単純な操縦に、果たして馬が分かってくれるのかな……。馬にまたがったのはいいけれど、ちょっと不安に。でも、心配は無用。

 なにより、ここの馬たちは優しくて気のいい子ばかり。この日の良きパートナーは、16歳(人間の40代後半に相当)の雌、アンちゃん。

 最初はその大きさに少しドキドキしてしまったけれど、彼女の体温を感じるにつれ、一緒に景色を眺めているのが嬉しくなる。

 時おり、馬が足元の草を食べるために立ち止まるのはご愛敬。道の草をはみながら、のんびりと行く散策もまた楽しい。

 心優しい馬と過ごす時間は、いつしか、本来の自然な自分を思い出させてくれる。

星野リゾート 界 阿蘇

所在地 大分県玖珠郡九重町湯坪瀬の本628−6
電話番号 0570-073-011(界予約センター)
http://kai-ryokan.jp/aso/

芹澤和美 (せりざわ かずみ)

アジアやオセアニア、中米を中心に、ネイティブの暮らしやカルチャー、ホテルなどを取材。ここ数年は、マカオからのレポートをラジオやテレビなどで発信中。漫画家の花津ハナヨ氏によるトラベルコミック『噂のマカオで女磨き!』(文藝春秋)では、花津氏とマカオを歩き、女性視点のマカオをコーディネイト。著書に『マカオ ノスタルジック紀行』(双葉社)。
オフィシャルサイト http://www.journalhouse.co.jp/

Column

ウェルネスを極める 星野リゾートの旅

星野リゾートが今、特に力を入れているのが「ウェルネスな旅」。バラエティに富んだアクティビティ、そしてオーガニックな食事などが楽しめる、ヘルスコンシャスなステイを各地からご紹介します。

2019.10.26(土)
文=芹澤和美
撮影=鈴木七絵