■星野リゾート ロテルド比叡(前篇)

 国内のみならず海外に至るまで、さまざまなロケーションに魅力的な施設を展開する星野リゾート。その星野リゾートが、今、特に力を入れているのが「ウェルネス」です。

 この連載では、バラエティに富んだアクティビティ、そしてオーガニックな食事などが楽しめる、ヘルスコンシャスなステイを各地からご紹介します。

»ロテルド比叡(後篇)をみる(9/1公開)


1,200年も連綿と続く
信仰の地に佇むオーベルジュ

 平成から令和へと変わり、消費増税にオリンピックの準備にと、なにかと世の中が慌ただしい2019年後半。2020年を迎える前に心を整えておきたい……。そう考えている女性は少なくないはず。

 ならば、「厄払い」で心身を清めるのはどうだろう? 場所は比叡山。平安時代に開かれた日本仏教の母山、比叡山延暦寺で知られる神聖な場所だ。

 ちょっと難しく感じてしまう厄払いを、リトリート感覚で楽しませてくれるのは、「星野リゾート ロテルド比叡」。

 比叡山エリアという立地を生かし、散歩をしながら厄除けや厄払いを叶えるプログラム、「比叡山やくばらい散歩」を展開している。

 ゲストの大半が体験を希望するという、大好評のこのアクティビティ。前厄と後厄を含めて6年間もの厄年がある30代女性には、とくにリピーターが多いのだとか。

 楽しいというだけでなく、チェックイン時に申し込める気楽さも、人気の秘密だ。

 半日かけて比叡山を歩くプログラムは、チェックインした日の翌朝からスタートする。到着した1日目はゆったりと、「星野リゾート ロテルド比叡」での時間を満喫したい。

 チェックインを済ませたら、まずは琵琶湖を望むテラスへ。「山床カフェ」と名付けられたこのスペースでの醍醐味は、言わずもがな絶景。

 そして、滋賀県の老舗茶屋「近江茶 丸吉」と共同開発した3種類のオリジナルほうじ茶の飲み比べだ。お茶に詳しくなくても、発酵度合いによって味や香りの違いがはっきりと分かるから、いろいろと試してみたくなる。

 利き茶でお茶の種類を知った後は、好きなお菓子を選んで気軽なアフタヌーンティータイム。

 発酵させないオーソドックスなほうじ茶にはニンジンのシフォンケーキ、半発酵させた熟成ほうじ茶には生姜のサブレ、完全発酵をほどこした完熟ほうじ茶にはビーフとトマトのコロッケなど、お茶とお茶請けのマリアージュを楽しむのも面白い。

 2019年9月からは、発酵ほうじ茶ラテも登場。発酵度合いが異なる4種類が試せるうえ、ユニークなラテアートで目も楽しませてくれる。

 景色と温かなラテ茶でほっこりとした時間を過ごせば、明日のやくばらい散歩の準備も万全だ。

2019.08.31(土)
文=芹澤和美
撮影=釜谷洋史