気温も上がりムシムシしてくると、食べてからだの中から冷ましたくなるもの。
今回紹介する涼を呼ぶ麺は、一見ひねりが効いているようで、実は直球のおいしさ。必食です!
そば処 四谷 更科の
「冷チャーシューメン」
●推薦人:
小宮山雄飛さん
日本蕎麦屋の品書きに「冷やし」と付くとなぜかワクワクしませんか。
たとえば「たぬきそば」ってタネものの中では最下層の扱いを受けてますよね、かけそばに揚げ玉をのせただけのやつですから。
でもこれが「冷やしたぬき」となると、途端にワクワクする。
揚げ玉以外に大根おろしなんかも乗ってるのだろうか? 冷やした汁がかかったタイプか、ぶっかけるタイプか。ワサビで行くか七味で行くか。あれこれ考えると楽しくなってくる。
そんな蕎麦屋における魔法のワード「冷やし」が付くメニューの中でもこちらの「冷チャーシューメン」は格別のワクワクをくれます。
なにしろ、ラーメンがおいしいと評判の蕎麦屋の、さらに冷やし中華ですから、カーブにカーブがかかった魅力的なメニュー。
蕎麦用の出汁は使わず、ラーメン用のスープとも別の、冷やし中華専用に作っているスープは甘すぎずさっぱりした味が魅力。蕎麦屋なのに中華麺も自家製というのもすごい。
さらに上にどかっとのった自家製チャーシューが厚切りで実に食べ応えがあるので、僕のおすすめの食べ方は、このチャーシューに和がらしを付けてツマみながら、まずはビールを一杯。
ハムにナルトにキュウリ、紅ショウガと、具材を順繰りにツマミにして、瓶ビールを1本空けたら、いよいよ本丸の麺へ突入!
冷やしなので麺が伸びにくいからこそできる、酒吞みの上級な楽しみ方。蕎麦屋の冷やし中華で一杯、これぞ粋な夏の過ごし方です。
そば処 四谷 更科
所在地 東京都新宿区新宿1-30-5
電話番号 03-3351-2951
営業時間 ランチ 11:30~15:00、ディナー 17:30~20:30(L.O.)
価格 Lunch、Dinnerともに540円~
定休日 土、日曜、祝日
カード 利用不可
座席数 54
おすすめの人数 ひとりで大丈夫
※1936年創業、今年で83年にもなる老舗の蕎麦店。蕎麦はもちろん、ラーメンの麺もチャーシューも自家製で、カレーなどごはんもの、丼ものも充実。
2019.07.19(金)
Text=Yuhi Komiyama
Photographs=Wataru Sato