かのゲーテも絶賛した
ギリシャ劇場
かのゲーテもギリシャ劇場を訪れた際、舞台の背後に広がる海とエトナ山を指して「劇場の見物人として、これほどの眺めを見たものはいないだろう」と、『イタリア紀行』で記したそう。
たしかにギリシャ劇場の客席から舞台を見下ろすと、演目よりもその背後の景色に目が奪われそう。
ちなみに、この遺跡は紀元前3世紀のギリシャ時代に建造されたもの。現在のレンガ作りの遺構は1世紀末~3世紀の古代ローマ時代に改築されたもの。
演目もギリシャ時代はギリシャ悲劇や喜劇だったのが、古代ローマ時代は剣闘士による武闘系。人々の遠い歓声が聞こえてくるようです。
ウンベルト通りを散策すると、食材店や絵付け皿のギャラリー、アクセサリー店、土産物店、レストランなど、800メートルの道のりながら立ち寄りたい店があちこちに。
横道の階段を下りて、あえての迷子になる楽しみもあります。
裏道をさまよっていると、デリの店先のテーブルで数皿をオーダーし、ワインを飲みながら談笑しているツーリストを発見。
少々物価が高いタオルミーナにおける節約のヒントを得た気分。次回はレストランもいいけれど、こういうスタイルに挑戦するのもアリかもです。
2019.06.29(土)
文・撮影=古関千恵子