背中で語る
芯の通った俳優になりたい
――この現場で学んだことがあれば、教えてください。
初主演ということで、クランクインからアップまで、いろんな俳優さんと共演させていただき、いろんな景色を見せてもらいました。西村まさ彦さんとアドリブをやることで、俳優は自由であるべきだと思いました。スタッフさんの動きも見ることができ、映画製作における発見もたくさんありました。また、今後の現場において、さりげない気遣いや緊張感をより意識できたらいいなと思いました。
――今後の目標、憧れの先輩について教えてください。
また、主演として作品に携わらせていただきたいという欲と、いい年齢の取り方をしたい想いがあります。大好きな高倉健さんやライアン・ゴズリングさんのように、ただ黙っていても背中越しのショットを見ただけで、そのキャラの内面が見えるような芯の通った俳優になりたいです。事務所の先輩である小栗旬さんからは、先日、仕事について考える時間の大切さを教えてもらいました。
――ちなみに、高校時代に1,200本を観るほど映画好きな福山さんにおける、“この一本”を挙げるとすると?
自分を変えたというか、いちばん大事にしている作品なのが、ショーン・ペン監督の『イントゥ・ザ・ワイルド』です。18歳のとき、福岡から東京に出てきて、初めて観た映画なんです。主人公の自分探しの旅を描いた作品自体が、その頃の自分とリンクしている部分が大きいこともあります。
福山 翔大(ふくやま・しょうだい)
1994年11月17日生まれ。福岡県出身。13年、ドラマ「みんな! エスパーだよ!」で俳優デビューし、『クローズEXPLODE』で映画初出演。その後、舞台やCMなど活躍の場を広げるほか、NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」や「二つの祖国」にも出演。
『JK☆ROCK』
突然解散したロックバンド「JoKers」の丞(山本涼介)が全米デビューする一方、丈(福山翔大)は音楽から身を引いていた。かつてのメンバーから相談を持ちかけられたカフェ店主の照雄(西村まさ彦)は、女子高生バンド「DROP DOLL」を結成。その指導を丈に任せることで音楽への情熱を取り戻させようとする。
2019年4月6日(土)より全国公開
https://jkrock-movie.jp/
(C)2019「JK☆ROCK」ビジネスパートナーズ
くれい響 (くれい ひびき)
1971年東京都出身。映画評論家。幼少時代から映画館に通い、大学在学中にクイズ番組「カルトQ」(B級映画の回)で優勝。その後、バラエティ番組制作を経て、「映画秘宝」(洋泉社)編集部員からフリーに。映画誌・情報誌のほか、劇場プログラムなどにも寄稿。
Column
厳選「いい男」大図鑑
映画や舞台、ドラマ、CMなどで活躍する「いい男」たちに、映画評論家のくれい響さんが直撃インタビュー。デビューのきっかけから、最新作についてのエピソードまで、ぐっと迫ります。
2019.04.05(金)
文=くれい響
写真=白澤 正
ヘアメイク=佐々木篤(GLUECHU)
スタイリスト=Stylist JOE(JOE TOKYO)