◆私の香港旅日記
オタク雑居ビルに足を運ぶ
「そんなにしょっちゅう香港に行って何をしているの?」と聞かれることが多いのですが、特別なことはしていません。香港映画のDVDを探して歩いたり、古びた喫茶店に行ったりします。実は東京にいても、同じようなことをしているので、日常とそんなに違いはないのかもしれません。
ただ、香港にいる間は、気分のまま、思いつくままに色々な場所に足を運びたいので、他の方に気を遣わない単独行動に限ります! もし気の短い方と同行したら怒られてしまいそうですからね(笑)。
香港にいる間は、常に香港映画のDVDに目を光らせています。最近は大手の店舗の品揃えが縮小されてしまい、路地裏や穴場の店舗に注目しています。「信和中心」というあやしげなオタク雑居ビルにもよく足を運んでいます。
先日、「信和中心」で1枚VCDを買ったら、「お時間あったら別の階にも店舗があるので見て行ってください」というような意味合いのことを店員さんが言ってくださいました。少しは広東語を勉強した甲斐があり、耳よりな情報を得ました。
また、早朝5時前に香港に到着する便に乗ったとき、空港で時間を潰すのも味気ないので、始発に乗り込み、香港島西部のケネディタウンで早朝から営業している“街市”とよばれる市場に行ってみました。
ケネディタウン駅に到着し外に出ると、駅前に独特の臭気を発するビルがありました。どうやらそのビルが街市のようで、おそるおそるエスカレーターを上がると、野菜や肉を売っている商店が並んでいました。
この街市の中で、薄手で木綿の肌着を売っているという情報を得ていたので探してみると、まだ開店準備中。諦めきれず近くをウロウロしていると、店員のおばさんに声をかけられ、買うことができました!
ちょうど良いサイズがあるかを尋ねたのですが残念ながら欠品で、半ば強引にワンサイズ上でも大差ないと店員のおばさんに押し切られました。せっかくでしたので3着買って帰りましたが、サイズはやはり大きかったです(笑)。それでも本当にサラリとした着心地なので猛暑の寝巻に重宝しています。
他にお土産ものを探すときは、香港大学の売店によく行きます。オシャレなTシャツや文房具などが売っているのでよくチェックしています。英語も通じない怪しげな雑居ビルとは違って、上品な安心感も漂っています。
今までも色々な場所に足を運んではいますが、次はどんなところに行ってみようか、と常日頃考えています。
最近は、バスでの移動に少々慣れてきて、中環(セントラル)からバスに乗って赤柱(スタンレー)にも行ってみました。赤柱は香港島南部の小さな海辺の街です。
赤柱の刺繍製品を販売する店では、山積みになっていたブラウスについて、詳しく日本語で説明してくれました。日焼けやシミがあるものは50ドル(日本円で700円程度)と、かなりのお買い得でした。
もともと海外でバスに乗るのは苦手でしたが、何事もチャレンジしてみると良いことがあるものですね。手芸市なども年に数回あるらしいので、そちらも興味津々です!
また、最近一番気になっているのが、“生写真屋”というお店がまだ香港に存在するのかどうか、です。何年も前にほぼ絶滅したと言われているのですが、次に行ったらぜひとも調査をしてみたいです。
美大の学生の頃、映像学科の友人が香港へ旅行に行った話を聞くと、観光地などはそっちのけで、生写真屋でジャッキー(・チェン)の写真を買い漁った話をしていて、とても羨ましく思ったことがあります。その当時はちょうど香港返還の前後で、あぁその頃に行っていればよかった、と今では後悔しています。
ただ、日本にも有名なブロマイド屋がまだあるのだから、香港にも一軒くらいはまだあるのでは? と睨んでいるので、どこかで良いご報告ができたらなと考えています!
伊藤修子の
在東京香港偏愛通信
2018.10.04(木)
文・撮影=伊藤修子
撮影=佐藤 亘
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