生理は何のために来るの?
女性の心身への理解が深まる

 〈生理ちゃん〉は暴力的だ。女性たちの腹を「生理パンチ」で容赦なく殴り、予定などおかまいなしに月イチでやってくる。ちょっと女性をイラつかせるいたずらをし、たっぷり血も抜いていく。生理を説明する表現は誇張されていない。むしろ相当リアルだ。

 では、生理ちゃんは女性の敵かというとそうではない。たとえば、容姿がコンプレックスのコンビニ店員・りほの回。どうせ一生独身だし、生理なんてなくていいとすねるりほを慰める言葉の深いこと。〈昔に言われた悪口なんて大抵はただの呪いなんだから〉。

 生理ちゃんが男性編集者から〈毎月迷惑がられてるのに来なきゃいけないのツラくないの?〉と問われる場面もある。ツラいと認めつつ、〈いつか全部ひっくるめて良かったと思ってもらえるんじゃないかと〉

 包み込む度量。女性の不安定な心身をいつも気に懸けてくれる、本当はありがたい存在なのだ。

『生理ちゃん』(全1巻)

毎月女性たちを悩ませる「生理」を擬人化。お尻のようなフォルム、にょきっと突き出た手足、女性の生態を観察する長いまつげのぎょろ目もキモ可愛い。生理のツラさを描く一方で、男性にとっての性欲の扱いにくさにも触れていく。性差への理解を橋渡しするような目配りが秀逸。
小山 健 KADOKAWA 1,200円

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2018.09.19(水)
文=三浦天紗子

CREA 2018年10月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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CREA 2018年10月号

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定価780円

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