健康で肉体的に成熟した女性なら、妊娠していない時期に定期的に生理があるのは当然のこと。ところが今、働く女性に生理不順が増えているとか。将来の妊娠・出産のためにも、今のうちに自分のからだのリズムときちんと向き合って!
» 第2回 アニバーサリー婦人科検診で自分のからだを守る
» 第3回 基礎体温表をつけることで自分のからだのリズムを実感
あなたの生理は正常範囲?
生理はなかなか他人と比較しにくいもの。「個人差もあるし、同じ人でも年齢や環境によって変化して当然。中には順調なのに『不順なのでは?』と悩んでいる人も。家族や友達には相談しにくいデリケートな話題だからこそ、気になる人は婦人科に相談を」(ともこレディースクリニック表参道 院長・出井知子先生)
<周期check!>
25~38日。生理開始日から次の生理開始日までを数える。この範囲内での変動なら正常。
<期間check!>
3~7日程度。毎回1~2日で終わったり、10日以上だらだらと続いたりする場合は一度婦人科へ。
<月経量check!>
初日から2~3日が多く、だんだん減っていく。出血量は、量の多い1~3日目で2~3時間に1回、ナプキンを替えるぐらいで大丈夫ならOK。
<形状check!>
通常はさらっとしているが、量の多い1~3日目にはレバー状の血の塊が出る場合もある。ただし、大きな塊が頻繁に出たり、生理前に茶色い血がちょぼちょぼ出る場合は婦人科へ。
女性ホルモンに振り回されやすい時期
女性ホルモンの分泌は心とからだの状態に左右されやすく、その女性ホルモンのバイオリズムがまた自律神経や精神面に影響を及ぼすという。
「20代後半から30代前半は、女性ホルモンの分泌が人生で最も活発な時期。それだけ女性ホルモンに振り回されやすいということ」
と話す出井知子先生。
「それを踏まえ、本来ならのんびり穏やかに暮らした方がいいのに、今の女性たちは逆で、その時期が人生において仕事もプライベートも一番忙しくなっています」
排卵日前に徹夜で働いたり、ストレスを抱えていたりすると、排卵がストップして生理が大幅に遅れたり、逆に排卵がないまま生理が早くきたり……これが生理不順だ。
生理不順の治療は早め、早めが肝心
「生理不順は時間が経てば経つほど正常に戻すまでに時間がかかります。『たかが生理』とほうっておくと、排卵できなくなったり子宮や卵巣が萎縮したりして、不妊症になる恐れも出てきます。いつか子どもを産みたい人はもちろん、女性ホルモン由来の病気にかかるリスクを減らすためにも、生理が乱れている人は早めに治療した方がいいと思います」
女性ホルモンのバイオリズムを整え、生理周期を正常に保つには、やはり規則正しい生活が一番。
「ライフスタイルを変えるのが難しいなら、病院で低用量ピルを処方してもらって定期的に生理がくるようにするとか、入浴やマッサージで生理前の不調に対応するとか、自分なりにできることをやった方がいい」
生理は女性にとって健康のバロメーターだという。
「なのに、みんな自分の生理に無関心。来院する女性の中にも、自分の排卵日や生理周期を知らない人がいるのには驚かされます。毎日基礎体温を測るのが面倒でも、最後の生理がいつだったかぐらいはきちんとメモしておき、婦人科を受診した際には答えられるようにしましょう」
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2014.01.18(土)
text:Miho Katsuki
photographs:Hirofumi Kamaya
illustration:Yoshiko Saito
design:Chiharu Kumagai
supervision:Tomoko Idei