イルカたちの追っかけっこを観察
まだ夜が明けきらない薄闇の中、ロビナビーチからジュクン(細長いあめんぼうのような伝統的な船)に乗り込み、ドルフィンウォッチングは出発します。
イルカたちが出現するのは沖合約1キロの海域。ゆっくりと船が進むにつれて、朝日が山の稜線を染めはじめ、太陽の光が徐々に力を増していく一日の始まりを海で迎えることが、なんと気持ちのいいことか。
そうこうするうちに、イルカの群れが登場。あっちでジャンプ、こっちでジャンプと、神出鬼没に見え隠れします。
イルカが跳ねるたびに、ジュクンは「それ、あっちだ!」と追いかけ、もちろん、船がそこに着く頃にはイルカたちは別の場所にひょっこり現れ、まるで追っかけっこを楽しんでいるよう。気まぐれに舳先の前に躍り出て、水先案内人のようにしなやかに泳ぎぬけていくことも。
ちなみに、インドネシア語で“イルカ”は“ルンバ・ルンバ”。ウキウキしてくる名前ですね。
ロビナビーチの名前の由来は諸説ありますが、ブレレン国の王が「愛(LOVE)が心にある(IN)ように」と名付けた説や、王が植えた2本の木が抱擁しあうように育った説など、ロマンティックなものも。
でも、ロビナビーチはリゾートもありますが、基本的にはひなびた漁村なので、ロマンティックなシチュエーションは期待薄かもしれませんが……。
2018.06.16(土)
文・撮影=古関千恵子