女性の働き方次第で生涯賃金が大幅に変わる!?
働き方により生涯賃金が2億円以上も変わることをご存知でしょうか。
大卒の女性が仕事を育児などで中断することなく、定年まで働き続けた場合の生涯賃金は2億5400万円だと言われています。それに、退職金2270万円を加えると約2億7700万円を稼ぐことになります。
ここで、育児休業制度を利用して、同じ会社に復職する場合の逸失額は1910万円と推測されます(28歳で第一子を、31歳で第二子を産んだ場合で計算)。
次に第一子出産を機に退職し、第二子出産後6年経って再就職するケースで考えてみましょう。
別の会社に再就職するケースでの逸失額は約9940万円になります。
同じケースでパートやアルバイトで復帰する場合の逸失額は約2億2700万円になります。生涯賃金も大きく減り、さらに将来もらえる年金額も会社員を続ける場合と比べると減ってしまいます。
私は社会復帰を試みようとしている専業主婦の方たちのお話を聞く機会もあるのですが、ブランクが長くなるほど再就職はきびしくなるそうです。高学歴の人でもなかなか仕事が決まらないのが現実なのです。
そのため、結婚や出産を機に、「なんとなく」という安易な理由で仕事を辞めてしまうことはおすすめしません。パートナーや両家の家族の力も借りながらできる限り仕事を続けたほうが、お金の面では暮らしが楽になります。
子どもの教育に関してはさまざまな考え方もあるでしょうが、女性のキャリア戦略に関しては先のこともじっくりと考えた上で決めていきたいですね。
Column
花輪陽子の「大人のマネー塾」
大人の女性なら知っておきたいマネーの知識を、普通のOLからファイナンシャル・プランナー(FP)になった、花輪さんが教えます!
2012.09.09(日)
text:Yoko Hanawa
photograph:Atushi Hashimoto