結婚、出産、育児、住宅購入、親の介護、自分の老後など、女の一生にはどれくらいお金がかかるか――。これから数回にわたって女性のライフプランとお金についてお伝えしたいと思います。

 まず今回は、人生の貯め期について考えてみます。実は人生でお金を十分に稼げる期間は思いのほか短いのです。

 22歳から60歳まで働くとすると、稼げる期間は38年。しかし、女の一生はそこからが長い。もし90歳まで生きるとしたら22歳から68年になります。つまり38年間で68年分を稼ぐということになるのです。

 もちろん年金や退職金などもありますから、すべてを自己負担するわけではありません。しかし、このご時世、貯蓄ゼロで老後を迎えるのは恐ろしいことです。年金支給開始年齢が70歳にずれたり、支給額が減らされたりする可能性もなきにしもあらずだからです。

 そのため、ざっくりとした目安として60歳までに10年分の生活費を貯めておきたいものです。年金支給が遅くなったとしても大丈夫なように当面のお金を確保しておくのです。ちなみに10年分の生活費を貯めるには、手取り月収の25%を30年間貯めていくことになります。老後生活については後の回で詳しくお伝えします。

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2012.08.19(日)
text:Yoko Hanawa
photograph:Atushi Hashimoto