カーディガン風のこちらは、基本形の“バットマン・スタイル”。円形ファブリックを二つ折りし、真ん中の穴に両手を通しただけ。アレンジの仕方はどれも簡単で、実際に多彩な着こなしに挑戦してみようと思えるのもいいところ。『マントシクロ アンゴラ』¥14900(共布の腰紐、巾着袋付き、6通りのアレンジを載せた小冊子付き)

 今回ご紹介するのは、女優の原沙知絵さんに教えて頂いた、ちょっとユニークなアイテムです。以前、春夏物の撮影でご一緒した際、原さんがカットの合間ごとにさらりと羽織られている素敵なものが。それは、とても軽やかで肌触りがよさそうで、光沢のある美しい素材感で。一見ストールのようでしたが袖を通しているようにも見え、やはりストールとは少し違うような……。思わず「それ、何ですか!?」と聞かずにはいられませんでした。

 紹介してくださったのは、ア・タ・ファソンというブランドのマント。早速、後日プレスルームに伺って見てみると、『マントシクロ アンゴラ』と名付けられたそれは、円形にカットされたファブリックの真ん中に丸い穴がひとつ開いているというもの。ただそれだけのようにも思えるのですが、この絶妙な大きさの穴が、平面であるはずの生地をカーディガンやジレやポンチョ、果てはスカートにまでアレンジ可能にしているのです。

左:広げてみるとこんな雰囲気。とろりと落ち感のあるジャージー素材や配色センスを感じるベルベットリボンが、エレガントな雰囲気を演出する鍵に
右:“バットマン・スタイル”の裾を結んだ“カシュクール・スタイル”。コンパクトな アレンジができるのも、柔らかな素材だからこそ

 アレンジされたスタイルは、どれもたっぷりとしたドレープが優雅でリラックスした雰囲気。着こなし方によって見え隠れするベルベットのリボンも、上質感を高める小粋なアクセントになっています。何より、こだわりのあるアンゴラ混の素材は、想像通りとても柔らかく、頬を寄せたくなる気持ちよさ。シワにもなりにくいので、夏の冷房除けとして常に携帯したいのはもちろん、旅先でもきっと大活躍してくれると思います。

左:真ん中の穴に首を通して被るだけの“ポンチョ・スタイル”。さらに、ネックの開き具合を前や後ろにずらすだけでも表情が変化します
右:“ポンチョ・スタイル”のネック部分を腰まで落とせば、あっという間に“スカート・スタイル”に。豊かなドレープが揺れるフェミニンなデザイン
カラーバリエーションは、黒、濃鼠、紫鼠。この秋冬からは新色、栗茶も加わります。どれもうっすらと艶があり、深みのある大人の色

SUMIYOS
電話番号 03-3454-7787
URL www.atafacon.com

Column

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CREAでもお馴染み、スタイリストの河井真奈さんが見つけた、日常で愛用できる「ファッションの名品」をお届け!

2012.07.05(木)
text:Haruko Murakami