スキンケアとメイクの融合で
人間はもっともっとキレイになれる!
いつかはこういう時代が来ると思っていた。スキンケアが効果をどんどん極めていけばメイクアップに近くなり、メイクアップも進化するほどにスキンケア効果を高めていく。だからいつかはふたつのカテゴリーが限りなく近づいて、ひとつになっていく化粧品の未来。今まさにそんな未来が明確に見えてきたのだ。
そもそもが、優れたスキンケア効果は速攻で疑似美肌をもたらし、メイクアップに極めて近い見た目効果を持つし、優れたメイク効果のロングラスティングは、実のところ高いトリートメント効果によって支えられているのだ。つまり根っこの部分はひとつで繫がっているということ。どちらも進化し続ければ、必然的にひとつに交わっていく宿命にあるのだ。
それを象徴するのが、例えば今春デビューのアルマーニ、クレマヌーダのベースクリームだ。
これはスキンケアなのか、はたまたメイクアップなのか、それ自体があえて曖昧。その境界線上に作られた製品と考えてもいい。そもそもBBクリームもCCクリームも、そういう意味でのボーダーライン上に作られたアイテムだが、グロークリームはエイジングケアにおけるクリームと、見た目のメイクアップ効果も含めた究極の下地を合わせた、これまた新しいボーダーライン上アイテム。
一般的にファンデーションで使われるピグメントを抑え、光テクノロジーを駆使して、くすみや色ムラを補整、肌色も肌質も均一に整えて欠点も見えなくしてしまう、にもかかわらず全く厚塗り感も化粧感もない。加えてエイジングケアクリームのようなトリートメント力を纏えるのだ。これ一品でもOKだが、下地やハイライトとしても使用可能。なりたい肌を色ではなく、光で選ぶのも新しい。
2018.05.21(月)
文=齋藤 薫
撮影=釜谷洋史