池上線に乗って御嶽山そして蒲田へ

●ラッキー店
東急池上線の御嶽山駅から徒歩3分程度の場所にある。もしもIKKOがこの街にロケにやって来たなら、9割9分「おんたけ~!」と叫ぶことだろう。俺も駅から降り立った瞬間、心の中でそう叫んだ。ただ、この店の何がどう「ラッキー」なのかは見当も付かない。預けたものより高級な衣服が返ってきたりするのだろうか。
●新蒲田店
夕刻を迎え、光量が不足してきたのでスマホのカメラを空の方に向けております。環八沿いにあるこの店の2軒隣にもクリーニング店の看板があったが、すでに店を閉めてしばらく経つ模様。
●蒲田店
本格的に夜になってきたので何とか看板だけでも押さえてみた。「ファッションとおともだち」というコピーは素晴らしい。CREAのスローガンとして採用してみたいぐらいだ。

 目黒区+大崎のミッションを終えた俺は、その日の午後、妻子が習い事に行っている2時間の猶予を利用して、東急池上線沿線の3店をクリアすることにする。

 まずは御嶽山なる駅で初めて降りてみた。「特捜最前線」あたりに出てきそうな、跨線橋を備えぬ古きよき駅のルックスにノスタルジーが喚起される。当然、脳内では西島三恵子の「池上線」が爆音で鳴り響いている。

 「ラッキー店」までのたかだか300メートル強の間に、4、5軒のクリーニング店がひしめいている。この街の住人はどれだけきれい好きなのだろうか。

 その後は、池上線の終点である蒲田に降り立ち、ユザワヤにオキュパイされた駅前商店街を抜け、環八沿いを歩んで「新蒲田店」を探す。

 その後、暮れかけた蒲田には小雨がそぼ降り出す。「蒲田店」を探し、地図を頼りに初めて訪れた狭隘な道が続く住宅街に迷い込み、傘も持たず、雨に濡れながら、静かに密かにスマホのシャッターを押す。四半世紀ほど前、新入社員として配属された週刊文春編集部時代、こんな風に張り込みにいそしんでいたなと懐かしく思い出す。

2018.05.01(火)
文・撮影=ヤング