いよいよニューパリーの総本山へ
いよいよ本店だと気負いながら訪れてみたが、住宅街の中の3階建てアパートの1階という意外に地味な店構えであった。だが、やはり本店だけに看板は立派である。
本店から歩いて数分。この店が位置するゆたか商店街には、巫女さんを萌えキャラ化した人形がぼんぼりを持つ形の街灯が並んでいるのだが、あれは何なのだろう?
西大井工場に併設された店舗。むしろこちらの方が本店の名にふさわしい気がする。ずっとニューパリーを追い続けてきたので、工場で立ち働く人々の様子を目の当たりにした時は、ちょっと感動した。応援してます!
馬込にあるから「まごめ店」なのだろうが、なぜここだけ平仮名表記なのか。「さいとう店」「おしだ店」の例に鑑みると、店主の名字が「まごめ」だったりするのか。20店近く経巡ってくると、そんなことが気になるのだ。
休日明けの月曜の午前中は、出社前に本店や工場を擁するニューパリーのお膝元である中延・馬込界隈へ。ここもまた、知り合いでも住んでいなければなかなか来る機会のないエリアである。
何とかかんとかほぼコンプリート。あとは、一度訪れたが営業しているかどうか不明だった「高輪店」のみである。
翌日の火曜日、午前中に高輪を再訪。大丈夫だろうか、ちゃんと営業しているだろうか。経営者の老夫婦は元気だろうか。何の根拠もなく、地域に密着しつつ実直に仕事を続けてきた老夫婦像を妄想し、俺はすっかり民生委員か何かのような気持ちになっている。
……よかった、営業してた!
何と、ここは精米店との兼業であった。筆者の実家も米屋なのでシンパシーを感じる。ニューパリーの一員であることを示すのは路上に建てられた立て看板のみ。慎ましい。
ということで、ミッション・コンプリート。
しかし、これだけクリーニング店を回りながら、実際に店を利用することはなかった。まあ、毎日Tシャツとパタゴニアのバギーズパンツで仕事してるので、クリーニングはおろかアイロンをかけるような洋服すら持ってないのである。すみません。
ところで、今さら気づいたのだが、英語で「ニュー」ときたら、「パリー」じゃなくて「パリス」じゃなかろうか。と思って写真を確かめたら、欧文表記は「NEW PARIS」ではなく「NEWPARI」であった。
……ひょっとして、フランスの花の都は全然関係ないの? 糊付けがパリーッと仕上がるとか、そういう駄洒落なの? 俺が「新しいパリ」のつもりで続けてきた巡礼はまったく見当違いで無意味だったの?
まあいい。軽く落ち込んだが気を取り直そう。こういう形でチェーン店を巡る経験は初めてだったが(当たり前だ)、なかなか面白かった。
チェックポイントをひとつひとつつぶしていくスタンプラリーに夢中になる子どもたちの気持ちが分かった。ちょっとした中毒性があるのだ。
また、こんな風にひとつテーマを設けると、自分からはまず赴かない街へ足を運ぶことになり、点と店を結ぶ道中で、新しい発見がある。おすすめしたい。
じゃあ、次はライバルの「ポニークリーニング」全店を制覇するか! と思い立ってホームページを確かめてみたら、全706店舗。……えー、定年後の楽しみとして取っておきます。
ということで、ここまでお読みいただいた内容はきれいさっぱり忘れてもいいから、とにかくCREA Traveller春号およびCREA5月号をぜひご購入ください!
ヤング(やんぐ)
CREA WEB編集長。今年もたくさんピーナッツみそを手作りして会社のみんなにおすそわけしたよ。
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Column
CREA WEB編集室だより
このコラムでは、CREA WEB編集室の日常を彩るよしなしごとを報告しつつ、CREAおよびCREA Travellerのプロモーションに励んでいきます。紀尾井町から、さわやかな風をあなたに。
2018.05.01(火)
文・撮影=ヤング