世界を旅する女性トラベルライターが、これまでデジカメのメモリーの奥に眠らせたままだった小ネタをお蔵出しするのがこのコラム。敏腕の4人が、交替で登板します。

 第175回は、進化し続けるベトナムのホテルに大沢さつきさんがステイします!

オープンからわずか2年にして
なしとげた快挙!

エントランスホールの奥に、ボリビア産のブルーの大理石に縁取られたエレベーターホールが。ここからレセプションのある7階へ。

 今回のミッションは、2017年、世界第4位に輝いたホテル「ザ・レヴェリー サイゴン」を再訪することだ。

 権威あるアメリカの旅行雑誌「コンデナスト・トラベラー」が、毎年、読者30万人以上の投票で決めるこの賞。ベスト5入りしたベトナムのホテルははじめてで、しかもオープンして2年での快挙だ。もちろんアジアNo.1。

 じつはこのホテル、グランドオープン前に宿泊したことがある

 ほかのホテルにはないグラマラスな内装の雰囲気と、初々しいサービスとのギャップに魅了されたホテルだ。それだけに、その発展変貌が楽しみでもあり、あの世慣れてない感じがなくなってたらさみしい……とも思う、ちょっと複雑な心境で出かけた。

バイクが多いのは相変わらずだが、みんな着ているものが垢抜けて、バイク自体もキレイになってる気がする。

 まず、2年ぶりで訪れたベトナム、ホーチミンシティの発展ぶりは目を見張るものがあった。さすがの経済成長右肩上がり!

 なんか、街がキレイ。どこがと具体的にはいえないのだけれども、明らかに風が抜けるような爽やかさが漂っている。歩いている人たちの着ているものから顔つきふくめ、変わってるのじゃないかと。相変わらずバイクは多いのだけれど。

 もともとフランス占領時代につくられた街だけに、広い道路には街路樹があり、景観の土台自体が美しい。コロニアルな建物を生かす余裕も出てきた感じだ。

もちろん屋台も健在。でも、数は少なくなっているような……。

 さらには、暮らしの選択肢が増えている印象だ。たとえば民族衣装のアオザイを買いたいと思ったとき、オートクチュールの有名デザイナーの店もあれば、東京の裏原宿にあるような店もある。顧客はツーリストだけではないし、街ゆく女子たちがほんと、お洒落になってます。

ベトナムのセレブに大人気で、国際的な評価も高いデザイナー、ヴォー・ヴィエット・チュンのアオザイはベトナム伝統工芸であるみごとな刺繍に彩られている。

 ヴォー・ヴィエット・チュンはベトナム伝統の素材を復元するなど、ベトナム復興の力となるような活動にも熱心。

Vo Viet Chung
(ヴォー・ヴィエット・チュン)

所在地 115 Ly Tu Trong, District 1, Ho Chi Minh City
電話番号 08-3914-2008
http://www.vovietchung.com/

アオザイのほか、カジュアルウェアも扱う「クジョーン」。洗練されていて、かつリーズナブルと、とくに若い人に人気のブティック。入り口、人の家みたいですけど……。

 「クジョーン」のアオザイは、ショート丈あり、ポップな柄ありで、とても楽しい。

Kujean(クジョーン)
所在地 47 Pham Ngoc Thach Street, Ward 6, District 3, Ho Chi Minh City
電話番号 0908-86-6161
http://www.kujean.com/

 と、そんなホーチミンシティの変わりっぷりを眺めながら、ザ・レヴェリーに到着。さてホテルは、どんな変化を遂げたのだろうか?

 華やかなエントランスや豪華なレセプションは変わらずだが、なにせ前回の訪問時は限定オープン状態だったので、熱気、活気がまず違う。家といっしょで、ホテルも人が動いて生きる。やっぱり来てみないと分からないことが多い。

圧巻のレセプションスペースは、まずヴェネツィアン・モザイクの有名ブランド「シチス」による南国フラワーな壁面。5メートルのソファ「エスメラルダ」は特注品で、世界で2つしか存在しない。で、もう1つは故マイケル・ジャクソンが所有してたという豪華エピソードも。

2018.01.30(火)
文・撮影=大沢さつき