30代──真の意味で大人への扉を開く年代。数十年後も美しい女性でいるために、今何を持つべきなのか?
スタイリスト・河井真奈さんの審美眼に適った不朽のアイテムをコメントとともに紹介。今買って、この後の人生でずっと愛せる──30代にとって等身大の名品がここに!
毎日3回にわたり名品を紹介していきます。今日は第2回。
プライス以上の価値がある! 世代を超える タイムレスな名品
時代の流れやトレンドに左右されず威風堂々たる存在感で輝き続けるトップブランドの名作。生きる姿勢にまで影響を及ぼすアイテムを持つことで10年、20年先の自分の美しさが変わってくる。
シャネルのキルティングバッグ「2.55」
機能美が行動力を後押しする「攻め」の人生の伴侶
“真の大人”の称号を手に入れたいのなら、30代は自分のアベレージを上げる物選びをしたい。その牽引力を持ち合わせているのがキルティングバッグ「2・55」。“2・55”とは、発表された1955年2月にちなんでつけられた名前。当時、女性のバッグはクラシカルなワンハンドルが主流で、どちらかといえば装飾品としての色が濃かった。そこに、類を見ない変化をもたらしたのが、「2・55」。肩から下げられるようにチェーンをつけることで、両手が自由に使えて活動的に動ける……ガブリエル シャネルが新時代をたくましく生きる女性へ、エールを込めて生みだしたものだ。
「ガブリエル シャネルの生き方そのものが表れているバッグ。女性を艶やかに見せるだけでなく、とにかく使い勝手がいい。ストラップの長さを用途に合わせて変えられたり、“ホテルでチップがスマートに出せるように”と外側にポケットがついていたりと、機能的に秀逸。ドレスからデニムのシーンまで幅広く使える理想的なパートナーです」(河井さん)
ガブリエル シャネル自身も愛用していた、発売当時からほとんど変わらぬデザイン。例え、人生の歩みのなかで自信を失ったときでも、彼女の面影を感じるバッグが、背中を押し、前に進む力を与えてくれる。
カーフスキンにボリュームを持たせるためにキルティングを施し、ライニングにはCCロゴをステッチ。外のフラップを開けると、内蓋がついており、ライナーの鮮やかな赤に女らしい香りが漂う。内側は3つのポケットで仕切られ、中央には口紅を入れるためのポケット付き。(H16×W24×D7cm) ¥399000/シャネル
河井真奈
雑誌でのスタイリングはもちろん、百貨店や企業での講義を頼まれることもあるスタイリスト。著書に『絶対 美人アイテム100』(小社刊)
2012.04.08(日)
photographs:HIJIKA(SIGNO)
styling:Mana Kawai text:Natsuko Endo
special thanks:HOTEL GREGES / AWABEES