馬刺しとハイボールがこれまた合う
「さくらさしって馬刺しのことなんですね。脂がのってて、すごく美味しい。新鮮で、全然臭みもなくて食べやすいなぁ。これもお酒がすすんじゃう! そろそろ私の大好きなハイボールを頼んでもいいですか?」
ということで、ハイボールをグイッと呑みながら、美味しい料理に舌鼓。
「うーーーん! 馬肉と合わせるとめちゃ美味しい! やっと、いつものスイッチが入った感じです(笑)」
「昔はね、女性のお客さんは縄のれんをほとんどくぐらなかったけど、最近は困っちゃうぐらいに若い女性が増えちゃって(笑)。男の人と変わらないぐらいの量を呑む、すごい方もいますからね」と語るのは、みますやの代表取締役・岡田勝孝さん。
祖父の代から続くこの店を引き継ぎ、今も毎日元気にお店に立っては、お客さんを迎え入れています。
「この店自体は関東大震災で丸焼けになって、しばらくはバラックで営業してたんでしょう。昭和3年に今の店舗に建て直したんです。実はね、この建物も第二次世界大戦の時に、空襲で半分まで焼け落ちたんです。今も焦げた跡が残ってるんだけど、焼け残ったこっち側は運がいいんですよ」(岡田さん)
「すごいですね! そんな歴史があるお店だったとは。でも、建物の雰囲気もすごくいいし、なんか居心地よくて落ち着いちゃいます」と、この後も腰を据えて呑む気マンマンのもなりさん。初めての名酒場めぐりを終えての感想は?
「みますやさんみたいに渋い居酒屋って、なかなか行く機会がなかったし、料理もどんな感じだろうって想像つかなかったけど、一口食べたら他のどこよりも美味しい! って思える料理ばかりで。見た目がおしゃれとか関係なく、美味しいお店はたくさんあるんだなって気付きました。その中でも、みますやさんはちょっと別格ですね」
2017.09.01(金)
文=宮内 健
撮影=石川啓次