高原を行く豪華寝台列車は
チチカカ湖を目指す

ペルーは元スペイン領。やはりカトリックが強い土地柄だ。

 さて、いよいよ「アンデアン・エクスプローラー」号に乗りこむことに。見送ってくれるのはアルパカとリャマだけという荒涼としたアンデス高原に、静かに横たわるネイビー×シルバーの車両。きょうが乗客を乗せての初運行のため、カプチン会の修道士による祈祷が行われ、聖水が全車両に振りかけられた。

 そして列車は、チチカカ湖の玄関口、プーノを目指してゆっくりと滑り出す。

発車してしばらくは、火山の影響かこんな白い火成岩の中をひたすら走る。

 最後尾の展望デッキも、つづくラウンジ車両も、真新しいだけでなくじつに洗練されている。フューシャピンクやオレンジといった、ペルーならではの印象的な色使いをアクセントにしたインテリア。軽やかで居心地のよい空間は、さすが列車の旅を提供することに長けたベルモンドならではだ。

最後尾の展望デッキは、三方が開けているので眺望抜群。爽やかなアンデスの風を感じながら、列車の旅に浸れる。(C)Matt Crossick
高級感あふれるダイニングカー。さすがの豪華列車。

 もちろんダイニング車両もエレガント。ブラウンを基調にしたシックなしつらえに、磨き上げられたグラスやカトラリーが輝く。列車旅行の大きな楽しみのひとつである食事が、この洒落た食堂車で食べられるわけだ。

左:列車の通路は、人ひとり通るのが精一杯。向こうから人がやってきたら、どちらかが道を譲って、連結部でやり過ごす。(C)Matt Crossick
右:とはいえ連結部付近では、こんな素敵な車窓の風景が楽しめる。

 客室にあたるキャビンの内装も、軽やかかつシック。アンデス高原に広がる大地の色からインスピレーションを得たというサンドベージュとブラウンを主役に、ドアノブや送風口など要所に施されたクロームの輝きが、なんともラグジュアリーな雰囲気を盛り上げる。壁面いっぱいに採られた大きな窓から見える景色が、絵のようにキャビンを彩る。

スタンダードなツインベッドキャビン。ソファがベッドになり、手前側のテーブル&チェアもベッドに早変わり。
文字通りの車窓の風景は、雄大な山あり、湖あり、街中の建物ギリギリなどありと、バラエティに富んだ景色が楽しめる。

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2017.06.27(火)
文・撮影=大沢さつき