【食べる】
香港人女性オーナーが経営する
本格的香港式養生煮込みスープの専門店「原味・湯廚」

左:赤い窓枠が目印。
右:窓側のカウンター席からは、向かいの公園の緑が一望できます。

 香港人女性オーナーが経営するこだわりの香港式養生スープ専門店。現在は台湾に定住しているオーナーですが、香港式スープの材料は台湾では手に入らないので、数カ月に一度は香港に乾物類の買い出しのために帰国するそうです。

 また台湾のガスコンロは火力が強すぎるので、スープはすべて電気コンロで煮込みます。とろ火でゆっくりと時間をかけて食材そのものの旨味と栄養素を引き出します。

左:お店の看板メニュー。「花膠響螺枸杞烏鶏湯(魚の浮き袋、巻貝、クコの烏骨鶏スープ)」(上)と「蟲草花響螺雞湯(冬虫夏草と魚の浮き袋、巻貝のチキンスープ)」。
右:スープに80元プラスすると「小菜套餐(おかずセット)」に。

 迷った時はお店の看板メニューをオーダーしてみましょう。「花膠響螺枸杞烏鶏湯(魚の浮き袋、巻貝、クコの烏骨鶏スープ)」は花膠(深海魚の浮き袋の乾物)、と響螺(巻貝の一種)をまず3日間かけて戻した後、烏骨鶏と煮込んだスープです。

 一通り煮立った後、圧力を加えてさらに煮込み、6時間かけて攪拌と濾過を繰り返しエキスを抽出します。コラーゲンがたっぷりなだけでなく腎臓にもよく、魚の浮き袋はコレステロールが含まれていないので「補胎不長肉(胎児を育て太らない)」と言うことから、香港では妊婦さんに好まれているそうです。

 「蟲草花響螺鶏湯(冬虫夏草と魚の浮き袋、巻貝のチキンスープ)」は肺を補い腎臓にもよく、肝臓を保護して炎症を抑える効果があるそうです。コクがありながらもしつこさはなく、地鶏の肉も口に入れるとすぐにほぐれてしまうほどに煮込まれていて絶品です。

シンプルで落ちついた店内。

原味・湯廚
所在地 台北市大同區南京西路25巷48號
交通 MRT雙連駅1番出口から徒歩約1分
電話番号 02-2559-6356
営業時間 月~土曜 11:30~20:30、日曜 12:00~20:30

2016.09.20(火)
文・撮影=矢作晃之