作詞家、ラジオパーソナリティ、そしてコラムニスト。八面六臂の活躍を続けるジェーン・スーさんが、最新エッセイ集『女の甲冑、着たり脱いだり毎日が戦なり。』を上梓しました。この新刊は、雑誌CREAの好評連載に大幅な加筆を施し、さらにたっぷり書き下ろしも加えたもの。
刊行を記念して、2016年6月29日(水)、CREAとantenna*による特別コラボレーションイベントが東京・南青山のantenna* <> WIRED CAFÉで開催されました。トークのゲストに招かれたのは、プライベートでも親交の深い、エッセイストのしまおまほさん。大いに盛り上がったその模様を、全5回にわたってレポートします!
talk05 みなさんの相談にお答えします!
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――今回応募してくださった皆さんに質問をいただいているんで、お二人にお答えいただきたいと思います。「30過ぎてから年々わがままになり、小さなイライラを感じることが増えてきました。お二人は日々の小さなイライラをどうやって解消されていますか? 私は今猫を買うか真剣に検討中です」。
しまお 小さいイライラ? どうですか? あります? 小さいイライラ。
ジェーン すごく身に覚えがある。身につまされる話ですね。結婚したり子ども産んだりしてないと、ロングスパンで他者と歩む人生がないんで、自分の思い通りにいかないと腹が立ってくるんですね。店員さんとか、タクシーの運転手さんとか。
しまお ああ。
ジェーン 私がプロデュースした世界じゃないから思い通りになるわけじゃないってわかってるのに、イライラする。
しまお 最寄り駅にこじゃれた和菓子屋さんがあって、その店の和菓子は、容器にきっちり詰めるために、買える数が3個、5個、7個と厳しく決められていて。でも、その容器を入れる紙袋がガバガバなんですよ。紙袋の中で、この容器自体がスッコンスッコンするの。結局中身も乱れる。それにイライラします。
ジェーン 生活の小さなことにイライラしてしまうことありますね。でも、30歳以上の女がイライラを表に出すと怖いから、出さないほうがいいよ。
しまお 私も「一言多い」っていうのは、本当に気を付けないといけないなと思いますね。
ジェーン 最後の一言が自動的に消えるボタンが欲しいですよね。
しまお ああ、欲しい。
ジェーン Siriなんかよりよっぽど欲しい。まあ、イライラを解消するには、部屋の中で踊ったりとか、この曲を聴くとテンションがバカ上がりするみたいなものを用意しておくっていうのがいいと思いますけどね。
しまお 私はイライラを解消できていないですけど、日記に書いたりしたらいいんじゃないですかね。
――ありがとうございます。
2016.07.29(金)
構成=臼井良子
撮影=鈴木七絵