作詞家、ラジオパーソナリティ、そしてコラムニスト。八面六臂の活躍を続けるジェーン・スーさんが、最新エッセイ集『女の甲冑、着たり脱いだり毎日が戦なり。』を上梓しました。この新刊は、雑誌CREAの好評連載に大幅な加筆を施し、さらにたっぷり書き下ろしも加えたもの。
刊行を記念して、2016年6月29日(水)、CREAとantenna*による特別コラボレーションイベントが東京・南青山のantenna* <> WIRED CAFÉで開催されました。トークのゲストに招かれたのは、プライベートでも親交の深い、エッセイストのしまおまほさん。大いに盛り上がったその模様を、全5回にわたってレポートします!
talk02 世代ごとに異なる甲冑がある
右:ジェーンさんの高校時代に大流行したアイテムといえば?
しまお 次のお題は……(画用紙をめくって)、「甲冑インマイライフ」。『女の甲冑~』を読んで、今まで生きてきた中で、年代によっていろんな甲冑があったなと気づかされまして。私の場合は、学生時代のルーズソックスが大きかった。
ジェーン ああ、『女子高生ゴリコ』(扶桑社)。
しまお そういう漫画を高校時代に描いて1997年にデビューしたんですけど……。
ジェーン ゴリコはルーズソックス、メチャメチャはいてたじゃないですか。
しまお 漫画のキャラにははかせてましたけど、私はルーズソックスをはけなかったんですよ。
ジェーン なぜ?
しまお そもそも、高校が私服だったんです。でも、クラスの友達は仲良しグループごとにおそろいの制服を作ってルーズソックスをはいていて。
ジェーン 何というぜいたく。貴族の遊びみたいですね。
しまお ねえ。私はおしゃれしたくて私服校を選んだのに。でも、制服ブームが始まっちゃって。
ジェーン 私服でルーズソックスは、ちょっと違うからね。
しまお 違いますよね。で、私は仲良しグループにも所属せず、それ故……。
ジェーン でも、漫画ではそういう子たちを描いて。
しまお まあ、漫画で描いて、自分のストレスを発散してたみたいな。
ジェーン じゃあ、ルーズソックスがしまおさんの「着れなかった甲冑その1」ですね。
2016.07.14(木)
構成=臼井良子
撮影=鈴木七絵