そして、紺ブレブームがやってきた
しまお 紺ブレブームは高校生ぐらい?
ジェーン 紺ブレはギリ高校生だった。「プチセブン」とか「セブンティーン」を見て、男子校の文化祭の日をチェックしたりして。紺ブレが流行ってた時代の写真がこの間出てきたんですけど、全員添乗員みたいだった。だって、男も女も全員紺ブレ着てるんだもん。
しまお そう! 男も女も、でしたよね。
ジェーン で、下はラルフのチェックのパンツとか着て。
しまお アイビーな感じだったの?
ジェーン 何だったんでしょうね。で、ちょっと茶髪にしてて。『女の甲冑~』にも書きましたけど、真木蔵人がすべての最高峰にいた時代ですよ。
しまお 紺ブレ、持ってはいたんですか?
ジェーン 一応持ってました。でも、一番似合わなかったのはアスレチックスの緑と黄色のトレーナー。当時、大リーグ野球トレーナーも流行ったんですよ。
しまお 肩幅がすごくでっかく見えるんですよね。
ジェーン そうそう。
しまお 紺ブレもそうですよね。で、みんなカチューシャで前髪をクッと上げて、2束くらいちょろちょろっと出すんですよね。
ジェーン レスポのカバン持ってね。
しまお 私は中学校のときに紺ブレが流行ってて、遠足の買い出しかなんかにみんなで行こうとなって、梅が丘の駅前に集まったら、一人紺ブレを着てきた女の子がいたんです。
ジェーン おお、それすごいですね。
しまお で、ザーッと後ずさりするような気持ちになって。えっ、大人みたい、と思って。私はベティちゃんとかのTシャツ着てて。
ジェーン 中学生だとそうですよね。
しまお あれはすっごくショックでしたね。
ジェーン そう。みんなが着てるものを「着れるか」「着れないか」っていうところで、まず自分の自意識設定が決まるじゃないですか。しまおさんは、結構着れてた人だと思っていたんだけどな。
しまお いえ、全然ですよ。
ジェーン 着れたけど、あえてそれを選ばないとかではなかったんですか?
しまお こっそり友達に、いらなくなったルーズソックスをもらって、家ではいて「フーン」って鏡に映してみたことはあります。あと、体育の時間、みんなと同じジャージ姿になるときにちょっとはいてみたり。「まあ、私もはかないわけじゃないんですよ」みたいな感じで(笑)。
ジェーン 普段は下駄ですけど、みたいな(笑)。
しまお そうそう。「下駄のあっしですけどはかせていただいてやす」っていうのはありましたけどね。でも、それがつらかったですけどね。それは今もずっと続いてます。
ジェーン それがずっと続いてるっていうのが結構なショックというか……。あっ、次のお題をめくろうとしてますね。
2016.07.14(木)
構成=臼井良子
撮影=鈴木七絵