作詞家、ラジオパーソナリティ、そしてコラムニスト。八面六臂の活躍を続けるジェーン・スーさんが、最新エッセイ集『女の甲冑、着たり脱いだり毎日が戦なり。』を上梓しました。この新刊は、雑誌CREAの好評連載に大幅な加筆を施し、さらにたっぷり書き下ろしも加えたもの。

 刊行を記念して、2016年6月29日(水)、CREAとantenna*による特別コラボレーションイベントが東京・南青山のantenna* <> WIRED CAFÉで開催されました。トークのゲストに招かれたのは、プライベートでも親交の深い、漫画家・イラストレーターのしまおまほさん。大いに盛り上がったその模様を、全5回にわたってレポートします!

talk01 文京区と世田谷区の空気感の違い

しまおまほさん(左)を迎え撃つジェーン・スーさん(右)。

ジェーン 今日はお集まりいただきありがとうございます。当選された方ほぼ全員出席ということで、会場内がギュウギュウになってますね。落選した方もたくさんいる中、ここにいるのは強運な方たちばかりです。では、ゲストをお呼びしますね。しまおまほさんです!

しまお こんにちは、よろしくお願いいたします。今日は、とりとめもなく話してしまうとアレかなと思いまして、トークのお題を画用紙に書いてきたんです。読者かつラジオのリスナー代表として、スーさんにいろいろお聞きしようと。

ジェーン なるほど。

しまお 今日はプロインタビュアーになります。

ジェーン その前に、そもそもなぜしまおさんをお迎えしたかといいますと、『マイ・リトル・世田谷』(スペースシャワーネットワーク)というしまおさんのご本、お読みになった方もたくさんいらっしゃると思いますけど……。あ、手を上げていらっしゃる方も!

しまお ありがとうございます。

ジェーン 私、この本を読んですごい感銘を受けまして。正直東京に生まれて育った人間にとって、「体感としての東京は23区もないよ」っていうのが私の持論でして。せいぜい3区から5区。世田谷に行くなんて、文京区民だった私からすると完全に越境なんですよ。

しまお だって、私も文京区のことなんて全然分かんないですもん。

ジェーン そう。だから、世田谷の持つ空気感みたいなものに憧れながら、「でも文京区のほうがいいもん」みたいなくだらない自負もあって。ただ、その空気感ってすごく文章にしづらいというか。

しまお そうですね。

2016.07.09(土)
構成=臼井良子
撮影=鈴木七絵