あのトランプ一族のワイナリーは、東海岸一の大きさ
バージニアのワイン造りの始まりは、これまたトーマス・ジェファーソン。フランス大使時代にワイン愛好家だった彼がフランスからブドウの苗を持って帰ってワイン造りを試みたが、これは商業的に成功せず、南北戦争と禁酒法によって衰退してしまう。
フランスに似た気候でもあるこの地で、土壌に合ったワイン造りが復活を果たしたのは1960年代だが、モンティチェロの周辺には今でもワイナリーが多い。
右:プチ・ヴェルドを試飲。ボルドーの品種らしくタンニンがしっかりしている。
ワインとワイナリーで提供する食事とのペアリングが素晴らしいという「ピピン・ヒル・ファーム&ビンヤード」を訪れた。シグニチャーの白ワイン、ソーヴィニョン・ブランをはじめ様々なワインを造っており、5種および上質のリザーブ4種の試飲ができる。併設のレストランでは、地元農家から仕入れた新鮮な食材の味が引き立つ料理とワインのペアリングが楽しめる。
右:かわいいビンに入って出て来たデザートのアイスクリーム。
Pippin Hill Farm & Vineyards
(ピピン・ヒル・ファーム&ビンヤード)
所在地 5022 Plank Rd, North Garden, VA 22959
電話番号 434-202-8063
URL http://www.pippinhillfarm.com/
バージニア州は、リンゴの生産量も全米5位。モンティチェロ近くには、ワイナリー以外にサイダーと呼ばれるリンゴ酒の醸造所もある。250種類ものリンゴを売っていて、2009 年にオープンしたサイダー醸造所「アルベマール・サイダーワークス」を訪れる。
英国のビクトリア女王に名産のバージニアハムと一緒にりんごを献上したのがこの町出身の外交官の奥方だったところから「ロイヤル・ピピン」と名づけられたサイダーが、すっきりとしたリンゴ香でとてもおいしかった。
Albemarle Ciderworks(アルベマール・サイダーワークス)
所在地 2545 Rural Ridge Ln, North Garden, VA 22959
電話番号 434-297-2326
URL https://www.albemarleciderworks.com/
シャーロットビルに戻る途中、もう一カ所立ち寄ったのが、今や大統領選で話題沸騰のドナルド・トランプ氏の息子が所有する「トランプ・ワイナリー」。
1999年からブドウ造りを始めていた、かつてのメディア王ジョン・クルーゲが所有していたワイナリーを2011年に買収してオープン。バージニア最大のワイン畑。敷地内にホテルもあって”見た目“ルネサンス風の部屋やら、ド派手な内装はトランプ氏のイメージにぴったりかも。オフシーズンの冬なら259ドルからと意外にお手頃な宿泊料金。広いお屋敷を一人占めできそう。
右:泊まれそうなぐらい広いバスルーム。
Trump Winery(トランプ・ワイナリー)
所在地 100 Grand Cru Dr, Charlottesville, VA 22902
電話番号 434-977-3895
URL http://www.trumpwinery.com/
シャーロットビルでのディナーは、ラグジュアリーで優雅な雰囲気のホテル「ザ・クリフトン・イン」へ。メインの建物は1799年ごろに建てられ、トーマス・ジェファーソンの娘夫婦が住んでいたという由緒のあるもの。
内装は、白を基調にしてとてもエレガント。モーリシャスから迎えたシェフが作る、アジア、アフリカ、フランス、インド料理からインスパイアを得た洗練された料理が供される。ハリウッドのスターや各国の要人もお忍びで訪れるそう。
右:メインのタコのグリル。カレーとパルメジャン、ポップコーンのアメリカ南部風おかゆを添えて。
The Clifton Inn(ザ・クリフトン・イン)
所在地 1296 Clifton Inn Dr, Charlottesville, VA 22911
電話番号 434-971-1800
URL http://www.clifton-inn.com/
2016.06.14(火)
文・撮影=小野アムスデン道子